一般会計は51億円に 現年度当初比2・6%増 令和6年度予算案を発表
令和6年2月27日付 1面
住田町は26日、令和6年度の各種会計当初予算案を発表した。一般会計は51億6600万円で、通信指令設備更新に伴う大船渡地区消防組合分担金や給与改定に伴う人件費の増加、河川改修の実施により、現年度当初から2・6%増えた。現・町総合計画の最終年度となる6年度は、同計画に掲げた政策の推進を図る一方で、新規事業として住田中学校開校に伴う学校環境整備、地域おこし協力隊配置などにかかる予算なども盛り込んだ。(清水辰彦)
6年度当初予算の総額は、現年度当初比2・6%増の69億5508万円。このうち、国民健康保険、介護保険(保険事業勘定)、同(介護サービス事業勘定)、後期高齢者医療の4特別会計の合計は17億8908万円で、現年度当初を2・5%上回った。
一般会計の歳入は、71・4%が依存財源。予算額で最も多いのは地方交付税の24億2000万円(現年度当初比4・3%増)で、町税6億1885万円(同2・2%増)、繰入金5億2306万円(同11・3%増)、国庫支出金3億9996万円(同1・0%減)、町債3億9150万円(同13・6%減)と続く。また、企業版を含むふるさと納税の目標額を約5000万円と設定したことから、歳入の寄付金予算額を前年度比45・6%増の7500万円とした。
歳出の目的別内訳で最も多いのは、民生費の11億5397万円(同8・3%増)。以下、総務費7億9995万円(同2・4%増)、公債費6億8078万円(同1・5%増)などとなっている。
主な歳出をみると、新規事業として「提案型」の地域おこし協力隊設置事業に1247万円を計上。従来の地域おこし協力隊は、自治体側が観光や農業振興など分野を指定するものだったが、「提案型」は町側で分野を限定せず、協力隊員が自ら地域課題解決の取り組みを提案しながら活動していくもの。採用は3人を見込む。
このほか、町立世田米中学校と有住中学校が新年度に新設統合して住田中学校が開校し、当面は世田米中校舎を使用することに伴い、トイレ整備やエアコン設置、灯油地下タンク配管修繕に704万円を計上している。
特別会計は国民健康保険が7億171万円(同6・0%増)、介護保険(保険事業勘定)が9億9817万円(同0・2%減)、同(介護サービス事業勘定)が253万円(同13・0%増)、後期高齢者医療が8667万円(同6・9%増)。
公営企業会計のうち、簡易水道事業は収益的収入が1億5730万円(同2・5%減)、同支出が1億4015万円(同3・3%減)。資本的収入は3700万円(同3・8%減)、同支出は9686万円(同12・7%増)。
下水道事業は収益的収入が1億1086万円(同23・2%減)、同支出が1億530万円(同26・9%減)で、資本的収入は3942万円(同14・1%増)、同支出は4903万円(同26・7%増)。
6年度は、2年度に策定した町総合計画が最終年度を迎える中、取り組み方向別KPI(重要業績評価指標)の達成が求められるとともに、同町における課題を整理し、効率的な町政運営を行うための次期総合計画を策定する年となる。
同町の財政は比較的健全な状況にあるが、人口減少などの課題に対応して住民福祉を推進しつつ、基本的な行政サービスを将来にわたって提供していくために安定的で持続可能な行財政基盤構築に努める必要がある。
これを踏まえ、神田謙一町長は「現在の比較的健全な財政状況を将来世代に引き継ぐことを念頭に必要額を計上した」としている。
各種当初予算案は27日開会の町議会3月定例会に提出される。