「総合計画目標達成を」 町議会3月定例会が開会 神田町長が施政方針演述

▲ 施政方針演述を行う神田町長

 住田町議会3月定例会は27日に開会した。会期を3月8日(金)までの11日間と決めたあと、神田謙一町長の施政方針演述や松高正俊教育長による教育行政演述、3議員による一般質問が行われた。神田町長は演述で、町総合計画で掲げる各種計画目標の達成などに意欲を見せた。一般質問では、町民の移動手段確保や防災対策などで議論が交わされた。(清水辰彦、2面に一般質問の主なやり取り)

 神田町長は施政方針演述の冒頭、「人口減少により人材不足が深刻化する中で、より質の高い行政サービスを持続可能な形で提供していくためには、デジタル技術を活用した業務改革を飛躍的に進める必要がある」と述べた。
 さらに、多様な主体の連携・協働、新型コロナウイルスなどの感染症や大規模災害への備えも重要だとし、令和6年度は2年度に策定した町総合計画が最終年度を迎えることから、計画目標の達成に向けて取り組みを進めていくと強調。重点政策として取り組む「医」「食」「住」の充実に向けたそれぞれの方向性も示した。
 総合計画に掲げる取り組みのうち、防災分野の政策としては、近年は大規模災害が全国で頻発していることから、消防団や自主防災組織、関係機関と連携して対策に取り組むとし、「消防団や、防災リーダーの育成をはじめとした自主防災組織の充実強化、町総合防災訓練の実施など地域ぐるみの防災体制づくりを進めていく」と述べた。
 観光分野では、新年度に滝観洞観光センター新施設がオープンすることから、指定管理者や町観光協会、町内関連事業者と連携を強化し、観光スポットのさらなる魅力向上に取り組んでいく姿勢を示した。
 町の基幹産業である林業については、効率的な木材流通システムの強化を図るとともに、森林認証制度や担い手対策、木材利用促進などに引き続き取り組み、農業においては、目指すべき農地利用の姿とする目標地図を盛り込んだ「地域計画」の策定を6年度も進めていくとした。
 行政経営の基本方針では、自主財源確保に向けたふるさと納税による寄付額増加、町DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進計画に基づいた住民サービス、行政手続きへのデジタル技術導入も掲げた。
 結びには「住民ニーズを的確に捉え、足元を確認しながらまちづくりのけん引役としての役目をしっかりと果たすべく、さらに努力を重ねていく」と力を込めた。
 引き続き、松高教育長が教育行政演述に立った。新型ウイルスの5類移行によって芸術やスポーツ、公民館活動などで活気が戻りつつあるとし「地域コミュニティーはまちづくりや地域の活性化につながり、住田町の大切な文化。現在取り組んでいる地域協働組織による『小さな拠点事業』をより充実、発展させ、教育分野からの町の発展に寄与していく」と述べ、子育て支援・就学前教育・学校教育充実、生涯学習の推進や芸術文化、スポーツ振興への意欲を語った。
 このあと行われた一般質問には、荻原勝(無所属)、瀧本正德(同)、阿部祐一(同)の3議員が登壇した。
 今定例会日程次の通り。
 ▽28日=本会議(一般質問)▽29日=本会議(議案審議)、予算審査特別委▽3月1日~3日=休会▽4日~6日=予算審査特別委▽7日=休会▽8日=本会議(議案審議、予算審査特別委報告など)