古里思う歌『まち』が完成 LAWBLOWと東朋中1年生 「いわてみんなのうた」で放送(別写真あり)

▲ 同校で行われた収録で声を重ねるLAWBLOWと東朋中1年生

 大船渡市在住のアーティスト・LAWBLOW(ローブロー)が、同市赤崎町の東朋中学校1年生43人の協力を得て制作していた楽曲が完成した。生徒らから募った地元・大船渡を思う言葉を、LAWBLOWの菅原盾さん(45)がつなぎ合わせ、出来上がった楽曲のタイトルは『まち』。生徒らとともに収録に臨んだ菅原さんは「地元を思いながら口ずさむような歌になれば」と願いを込める。(菅野弘大)


 楽曲制作は、NHK盛岡放送局が制作する音楽番組「いわてみんなのうた」の企画で実現。東日本大震災からまもなく13年を迎える中、震災前後に生まれた中学1年生が思う古里を、被災地である大船渡を拠点に音楽活動を続ける菅原さんが一つの曲にして発信しようと制作が決まった。
 制作にあたっては、昨年12月に菅原さんが同校を訪問。大船渡を歌った自身の楽曲を披露するなどして、アーティストとしての信念を生徒に伝えたほか、「大船渡の今と今まで」「大船渡のこれから」とのテーマで生徒から思いや言葉を書き出してもらい、楽曲のイメージを膨らませた。
 完成した楽曲は「まちって何だろう」という問いに、中学生の視点も取り入れながら、古里を見つめ直した気持ちを歌詞に込めた。菅原さんは「僕や生徒の皆さんは今、この大船渡というまちで生きているが、それは亡くなった方やこれから生まれてくる子どもたちのまちでもあるということ。家族や職場など、たくさんのコミュニティーが集まり、つながっていて、ちょっとやそっとじゃ変わらないけど、少しずつ変わっている、それが『まち』だと思う」と考えを語る。
 「古里を歌おうとした時、震災のつらい経験は無視できない」と、いくつもの悲しみとともに生きているまちの様子も歌詞で伝えた。「震災前後に生まれた生徒たちも、分からないなりに、当時のことを分かろうとしている。自分にはない発想の意見を知れたことは大きかった」と振り返った。
 先月6日に同校で収録が行われ、生徒らも合唱で参加。菅原さんと声を重ねた生徒らは、肩を組んで古里への思いを歌に乗せた。生徒の鈴木陽翔さんは「自分たちの思いが歌詞になり、不思議な気持ち。聞いた人に勇気を与えられるように、心を込めて歌った」と笑顔で話した。
 収録された映像は、先月26日の「おばんですいわて」の番組内で紹介。『まち』は3月から「いわてみんなのうた」で放送予定。
 菅原さんは「将来、地元を離れる人もいると思うが、この歌をみんなで歌ったことを少しでも覚えていてくれたら、それ以上幸せなことはない」と音楽の持つ力に期待を込めていた。