東日本大震災2事業の土地利用率 区画整理54%、防集買収地65% 市議会一般質問で当局示す 活用策 今後も課題に

▲ 土地区画整理事業で整備されたかさ上げ地では未利用地が目立ち、利活用が課題となっている

 陸前高田市は2月29日の市議会定例会で、東日本大震災後展開した土地区画整理事業の造成地や防災集団移転促進(防集)事業で買収した土地の利活用状況を示した。区画整理事業用地103・5㌶の利用率は昨年12月末時点で約54%で、利用見込みのない土地は約48㌶に上る。防集買収地約133㌶の利用率は約65%。震災発生から間もなく13年を迎え、復興の先を見据えたまちづくりが求められる中、土地の活用促進が依然として大きな課題となっている。(高橋 信、2面に一般質問の主なやり取り)

 

 土地の利活用は同日行われた定例会一般質問で、福田利喜議員(創生会)が取り上げた。土地区画整理事業で整備した土地や防集事業で市が買収した津波浸水地について「空き地が散見される」と指摘し、利用状況と今後の見通し、管理対策を尋ねた。
 土地区画整理事業は、津波で甚大な被害を受けた高田、今泉の両地区で展開。利用されているのは昨年12月末現在、市有地、民有地を含めて約55・6㌶(利用見込みを含む)で、全体に占める割合は約54%だった。
 未利用地約48㌶のうち、民有地は37・5㌶と8割近くを占める。一部では管理が行き届かず、雑草が繁茂している空き地もあり、周辺環境に悪影響を及ぼしかねない課題となっている。
 市は空き地解消のため、土地所有者と利用希望者を結ぶ土地利活用促進バンクを運用しており、成約件数は62件。バンクの利用を促す独自の補助金を用意し、一部エリアは用途地域を見直すなど、随時対策も打ち出している。
 佐々木拓市長は「少しずつではあるが土地の利活用が進んでいるものの、依然として未利用地が多い。支援制度などを広く周知し、利活用の促進につなげたい」と答弁。雑草対策として、ふるさと納税の返礼品で設けている除草作業サービスや、本年度新たに始めた草刈り機の貸し出しを挙げ、「適正な維持管理が行われるよう対策を講じていく」と答えた。
 一方、防集買収地はこれまで、高田松原津波復興祈念公園やワタミオーガニックランド、食品加工場、太陽光発電の事業用地などとして活用されてきた。
 本年度は㈱ニッスイによる養殖事業の関連用地として0・6㌶、鎮魂の庭プロジェクトによる日本庭園として1・5㌶の活用を見込む。これを含め、約86㌶が利用されており、全体に占める割合は約65%となっている。
 市長は「最近では太陽光発電用地、大規模店舗などの事業用地としての問い合わせが増えてきており、企業などに認知してもらえるよう周知する。未利用地が点在していることから、隣接する民有地を含めた利活用も検討していきたい」と展望を述べた。
 同議員は震災で被災した小友町の小友浦干拓跡地も取り上げ、「広大な空き地があり、活用の議論が種々あった」と、活用の見通しを質問した。
 市によると、本年度は海藻の陸上養殖事業や太陽光発電の事業用地などで活用を希望する相談を受けていたが、社会情勢の変化などを理由に断念する連絡があり、それ以降は企業立地に向けて広く周知を図っている。
 市長は防潮堤の海側に整備した干潟が、地元小学校による水産教室などフィールドワークの場として活用されている状況を説明。「干潟を活用した観光施設などの活用についても今後検討していきたい。小友浦の利用が促進されるよう取り組んでいく」と答弁した。