伝統継承へ誓い新た 横田小「若竹太鼓」引き継ぎ式(動画、別写真あり)
令和6年3月8日付 6面

陸前高田市の横田小学校(菊地桂子校長、児童39人)は7日、児童が昨年から取り組んでいる芸能「若竹太鼓」の引き継ぎ式を同校で行った。6年生5人は後輩たちとの最後の合奏に臨み、1年間の特訓の成果を発揮。3~5年生19人も思いを引き継いで演奏を披露し、伝統の継承を誓った。
若竹太鼓は、旧横田中で平成3年から閉校の同28年まで代々演奏されていた創作太鼓。同校の旧校舎で学ぶ横田小は、創立150周年もきっかけに、昨年から総合的な学習の一環で芸能の伝承活動を展開している。
昨年11月までは、4~6年生20人が、旧横田中卒業生らでつくる若竹太鼓保存会(村上豊繁会長)から指導を受けながら『雷神おろし』を練習。運動会や地域行事などで演奏を披露しながら技術を高め、保存会メンバーによるサポート演奏がなくてもたたけるまでに上達した。
同12月からは、引き継ぎ式に向けた練習が本格化。新たに3年生4人が先輩たちからたたき方を習い、授業や空き時間を使って練習に励んできた。
この日は、1、2年生や教員のほか、保護者を含む地域住民らが式を見学。会場には、6年生が卒業記念で制作した若竹太鼓の看板も設置された。
はじめに4~6年生が演奏。テンポの要やソロを担う前列4人によるパフォーマンス、リズムの異なるパートが重なり合う見せ場、同じリズムを一斉にたたく迫力満点のフィナーレなどで、集大成を披露した。
6年生から後輩へのばちの引き渡しのあと、3~5年生が同じく『雷神おろし』を発表。5年生が先頭に立ち、初めて人前でたたく3年生ら後輩たちを引っ張る姿を見せつつ、熱のこもった音で、6年生や指導者らへの感謝の思いも伝えた。
菊地校長は、横田小における若竹太鼓の伝統を〝本〟に例え、「伝統の〝1ページ目〟が終わる。新しいことを始めるのはすごくエネルギーのいることで、6年生は本当に頑張ってくれた。来年度の〝2ページ目〟でも、魂を込めた音を響かせてほしい」と語った。
菅野希夢さん(6年)は「いつもより自信をもって太鼓をたたけた。後輩たちには、伝統の音や振り付けなどをみんなで合わせられるよう練習してほしい」と託した。
佐藤倫人さん(5年)は「ソロや足の動きなどが練習のときよりもうまくいった。6年生よりもうまくなれるよう、これからも練習を頑張りたい」と思いを新たにしていた。