新年度予算など可決 町議会定例会最終本会議

▲ 新年度予算など23議案を可決した最終本会議

 住田町議会3月定例会は8日、最終本会議が開かれ、令和6年度各種会計当初予算など23議案を可決して閉会した。一般会計予算は51億6600万円で、現年度当初比で1億3100万円(2・6%)増。新規事業として、住田中学校開校に伴う学校環境整備、「提案型」の地域おこし協力隊配置などを盛り込んだ。(清水辰彦)                           


 この日可決されたのは、予算審査特別委員会(委員長・荻原勝議員)に審査を付託した一般会計と、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計、簡易水道、下水道の両事業会計に加え、監査委員条例や一般職の職員の給与に関する条例、町附属機関の設置に関する条例などの一部改正、高齢者生活福祉センターや農林水産物直売・食材供給施設の指定管理者指定──など23議案。
 予算案のうち、4特別会計の総額は17億8908万円で、現年度当初を2・5%上回った。一般会計を含む総額は69億5508万円で、2・6%増となった。
 一般会計の主な歳出をみると、新規事業では移住定住促進の一環として「提案型」の地域おこし協力隊設置事業に1247万円を計上。従来の地域おこし協力隊は、自治体側が観光や農業振興など分野を指定するものだったが、「提案型」は町側で分野を限定せず、協力隊員が自ら地域課題解決の取り組みを提案しながら活動していくもの。
 活動を通じて、住田ならではの暮らし・働き方のモデルケースも構築し「移住者が移住者を呼ぶ」という流れの構築につなげていきたい考え。採用は3人を見込む。
 このほか、町立世田米中学校と有住中学校が新年度に新設統合して住田中学校が開校し、当面は世田米中校舎を使用することに伴い、トイレ整備やエアコン設置、灯油地下タンク配管修繕に計704万円を充てる。
 賛成、反対の討論はなく、採決の結果、各種予算案はいずれも賛成多数で可決された。
 5月5日の任期満了に伴う町選挙管理委員会委員と同補充員の選挙も行われ、議長の指名で当選者が決定した。
 委員には高橋美枝子氏(77)=下有住、紺野敏郎氏(72)=世田米、大和田文雄氏(71)=同、熊谷公男氏(62)=上有住、補充員には第1順位・佐藤鉄男氏(69)=世田米、第2順位・紺野恵子氏(58)=上有住、第3順位・千田三子氏(66)=世田米、第4順位・水野司氏(63)=下有住=を選んだ。
 このほか、議会運営委員会(委員長・林﨑幸正議員)からの発委「町議会議員の請負の状況の公表に関する条例の制定」についても、賛成多数で可決した。
 議会終了後、本年度で退職する山田研総務課長があいさつに立ち、職員生活を振り返ったうえで、議員へ感謝を述べた。