住田の中学校で最後の卒業式(動画、別写真あり)

▲ 最後の卒業生となった生徒たちが、声高らかに校歌を斉唱
▲ 卒業生が3年間の感謝と未来への決意を歌声に込めた

 住田町の世田米中学校(遠山秀樹校長、生徒57人)と有住中学校(村松正博校長、生徒37人)で13日、最後の卒業式が行われた。両校は本年度で閉校し、新年度に統合して「住田中学校」となる。卒業生たちは、新型コロナウイルス禍の中でスタートした中学校生活や最後の3年生として過ごした1年間を振り返り、母校や地域、家族への感謝を胸に学びやを巣立っていった。(菅野弘大、清水辰彦)


未来切り開く決意示す 校史77年最後の卒業生 世田米中

 

 世田米中の本年度の卒業生は21人。一人一人名前を呼ばれ、遠山校長から卒業証書を受け取った。
 遠山校長は「進学先は違えど、77年の歴史を刻んだ世田米中の最後の卒業生。仲間との友情、健康と命を大切に、高校生活に全力で取り組み、自ら未来を切り開いてほしい」と式辞。教育委員会告辞と来賓祝辞に続き、生徒会長の佐々木琉晟さん(2年)が「やるべきことに必死に取り組み、自分の思いを貫く大切さを示してくれた先輩方と、この学びやで生活できたことを誇りに思う。新天地での活躍を願っている」と送辞を述べた。
 卒業生代表の及川絢音さんは「皆さんにお世話になったことへの感謝は一生忘れない。夢に向かって努力を重ね、自分の力で未来への道を切り開く人生を歩んでいきたい」と答辞。来年度から新たな環境で生活を送る1、2年生には「住田中初代の在校生としての誇りを持ち、新たな歴史や伝統を築いてほしい」とさらなる活躍を願った。


「学びと思い出を糧に」 〝ラストイヤー〟締めくくる 有住中

 

 有住中では、14人の生徒が卒業を迎え、式では保護者や来賓、在校生、教職員が見守る中で卒業生たちがすがすがしい表情で一人ずつ入場した。
 村松校長は式辞で、昨年、新型ウイルスが5類に移行して学校行事も活気を取り戻していったことなどを振り返り、「チーム有住の伝統で鍛えられた皆さんは、土台をしっかり身につけている。それぞれの夢に向かい自分らしく羽ばたいてほしい」とエールを送った。
 教育委員会告辞や来賓祝辞に続き、生徒会長の遠藤瞳海さん(2年)が「どんなに大変な時でも一生懸命取り組んできた先輩たちの姿は、私たちの目標。有中で過ごした日々を胸に、輝かしい未来を切り開いてほしい」と送辞。このあと、在校生たちが卒業生への感謝を込めて合唱を披露した。
 答辞では、卒業生の小野夏樹さんが「閉校を締めくくるという役割が、私たちを大きく成長させてくれたし、たくさんの学びがあった。有中での学びや思い出を糧に、どんな困難も乗り越えていくことを誓う」と述べ、周囲への感謝を語った。