権現様で復興祈願 盛町田茂山の若獅子会 地域練り歩き募金活動(別写真あり)

▲ 盛町内を練り歩き募金を呼びかける若獅子会のメンバーら

 大船渡市盛町の田茂山権現様の継承に取り組む若獅子会(千葉将裕会長)は20日、町内で能登半島地震の被災地へ向けた募金活動を展開した。早期復興を願うおはやしとともに練り歩き、勇壮な演舞に被災地支援の思いを込めた。
 同町田茂山地区に伝わる田茂山権現様は、大船渡町の地ノ森権現から派生し、約300年前から伝承され、地元の神社の祭事や、正月の悪魔払いなどで披露している。
 同会は、東日本大震災後、権現様の伝承者の発掘や育成などを掲げて発足。平成28年に熊本地震が発生した際にも募金活動を行っているほか、コロナ禍になってからは、「地域を盛り上げよう」と疫病退散の演舞を披露するなど、郷土芸能を通じた活気創出に一役買っている。
 今月上旬にも、組織の運用資金の一部を被災地支援の義援金に充て、市に寄託している同会。今回は地域住民らにも協力を呼びかけようと企画し、小学生を含む14人が参加した。
 一行は「市日」が開催されている木町市場を通り、権現堂方面へと歩いた。市場では、出店者や買い物客らに「能登半島への募金をお願いします」などと声をかけ、協力してくれた人の頭をかんで感謝を示した。
 その後、中央通り商店街や蔵ハウス大船渡、盛駅前などに立ち寄りながら、サン・リアでは復興祈願の演舞も行った。聞きなじみのあるおはやしと「ソーレ」のかけ声に、住民らも笑顔で募金し、地域で一つになって被災地に心を寄せた。
 学校でも募金活動に取り組んだという盛小の高橋蒼空さん(6年)は「地域の人たちが優しく協力してくれて、権現様を見て楽しそうだった。被災地が一日でも早く復興してほしい」と願いを込めた。
 千葉会長(53)は「権現様の音が聞こえると、住民の皆さんが外に出てきてくださり、この地域にあるお祭りのDNAのようなものを感じた。寄せられた支援の思いを能登の人たちに届け、遠くからでも元気づけられたら」と話していた。