三陸で成長 海外で活躍 「TeamTXF」所属の細川選手 タイでのBMX大会で6位入賞

▲ 今後のさらなる飛躍を誓う細川選手

 大船渡市三陸町越喜来の「三陸BMXスタジアムBridge Crawレーシングサーキット」を拠点とする「TeamTXF」の細川惺覇選手(12)=一関市=が、このほどタイで行われた「2024タイランドBMXカップ」に出場し、12歳クラスで6位入賞を果たした。TXF勢が海外の大会に挑み、表彰台に立ったのは初めて。「将来はオリンピック選手に」と飛躍を誓う。(佐藤 壮)

 

 BMXレースは専用コースを駆け抜ける自転車競技で、大小さまざまなジャンプやカーブなどからなる300~400㍍を舞台に、着順を競う。オリンピック種目にもなっており、年々注目度が高まっている。
 細川選手は昨年、同スタジアムで行われた一般社団法人全日本BMX連盟による「大東建託シリーズ第7戦」で決勝に残ったほか、全日本選手権やジュニアオリンピックでも活躍。こうした実績などから日本代表に選ばれ、大会参加の打診を受けて初の海外舞台に挑んだ。
 主にアジア各国の強豪が集うタイでの大会では、3レースの合計順位で争う予選で上位に入った。16人が2組に分かれた準決勝を通過すると、8人による決勝でも果敢に攻め、6位入賞を果たした。海外大会ならではの応援の雰囲気にものまれず、結果を残した。
 大会について「決勝はもう少し上位に行けたと思う。準決勝の組で2位に入ったことで優勝を狙いすぎてしまった」と振り返る。
 細川選手を指導する福山北斗代表(28)は「まず、練習量が豊富。BMXの熱意はチームでも上の方にある。競技に触れて、一番人間的にも変わったと思える選手。昨年ぐらいから、ジャンプなど練習で挑戦した新しい技術を本番で積極的に生かせるようになってきた」と語る。
 三陸BMXスタジアムは、旧甫嶺小学校グラウンドを生かし、国際基準を満たすレースコースや本格的フリースタイルパークとして令和2年にオープンし、全国的にも認知度が高まっている。TeamTXFには岩手、宮城両県の約60人が所属している。
 細川選手は小学3年生の時、テレビニュースで同スタジアムの存在を知り、BMXへの興味を抱いた。もともとスノーボードなどには親しんでいたが、自主的に「BMXをやりたい」と親に思いを伝えた。
 週末を中心に同スタジアムに訪れて練習に励むほか、平日も自宅近くで自主練習を重ねる。今月、東山小学校を卒業。4月以降も三陸に通って技術を磨くほか、全国各地で開催されるシリーズに挑み、ポイント集計で決めるチャンピオンを目指す。今年も9月に、同スタジアムでシリーズ第7戦が予定されている。
 今後に向け、細川選手は「今年は10月に行われる全日本選手権での優勝や、シリーズチャンピオンが目標。コーナリングの技術をもっと高めたい。将来はオリンピック選手になりたい」と力を込める。