気仙両市 前年に続いて下落 全用途の平均価格と変動率 令和6年の公示地価発表 人口減少、少子高齢化など影響

 土地取引価格の指標となる令和6年の公示地価は26日、発表された。宅地、商業地などを合わせた全用途の平均価格と変動率は、大船渡市が3万5700円、マイナス1・2%(前年マイナス1・2%)、陸前高田市は2万3500円、マイナス0・8%(同マイナス0・6%)といずれも下落。人口減少や少子高齢化の進行による宅地需要の減、東日本大震災からの復興整備事業の終了などが影響したとみられる。(三浦佳恵)

 

 公示地価は、土地取引や公共事業用地の取得価格を算定する際などの指標となるもの。適正な地価形成のため、国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日時点で全国の標準地を調査し、都道府県を通じて発表している。
 気仙の調査対象標準地は、大船渡市が住宅地3地点、商業地2地点、陸前高田市が住宅地3地点、商業地1地点の計9地点。新設や選定替え、地番の変更はなかった。
 大船渡市における住宅地の平均価格(1平方㍍当たり、以下同)と前年からの平均変動率は3万1700円、マイナス1・1%(前年マイナス1・0%)と下落が続く。
 「立根町字中野25番2内」は3万2000円、マイナス0・9%(同マイナス0・9%)となり、5年連続で下落。「大船渡町字明神前11番14」は3万9300円、マイナス1・0%(同マイナス1・0%)、「大船渡町字下平19番6」は2万3700円、マイナス1・3%(同マイナス1・2%)と、それぞれ2年連続で下がった。
 商業地の平均価格は、4万1700円、マイナス1・5%(同マイナス1・4%)と前年に続いて下落。
 「大船渡町字野々田156番11外」は5万2100円、マイナス1・3%(同マイナス1・3%)、「赤崎町字沢田104番15外」は3万1300円、マイナス1・6%(同マイナス1・5%)と2年続いて落ち込んだ。
 陸前高田市は、住宅地の平均価格が1万9500円、マイナス0・8%(同マイナス0・8%)で、4年連続の下落。
 「高田町字鳴石51番96」は2万2300円、マイナス0・9%(同マイナス0・9%)、「高田町字中田43番7外」は1万3900円、マイナス1・4%(同マイナス1・4%)となり、それぞれ4年続いて下がった。「高田町字西和野134番6外」は2万2400円となり、前年と同様に変動がなかった。
 商業地は、「高田町字並杉301番1外」が3万5400円、マイナス0・8%となり、前年の変動なしから下落に転じた。
 県内の地価動向をみると、住宅地(127地点、うち隔年1地点)の平均変動率はプラス0・8%(同プラス0・1%)と、2年連続で上昇し、上昇率が拡大した。前年と比べて価格が上昇したのは59地点、下落は51地点、横ばいは16地点。
 価格上昇率の最大地点は、「盛岡市永井20地割17番99」のプラス8・5%。最も下落率が大きかったのは、「山田町船越第6地割32番73」のマイナス4・4%。
 県内における商業地(54地点、うち隔年1地点)の平均変動率はマイナス0・5%(同マイナス0・9%)となり、31年連続で下落したものの、下落率は縮小した。価格が上昇したのは14地点、下落は33地点、横ばいは6地点だった。
 価格上昇率が最も大きかったのは、「盛岡市盛岡駅前通437番(盛岡駅前通8番地17)」のプラス6・0%。
 一方、下落率の最大地点は「岩手町大字沼宮内第7地割24番1外」で、マイナス5・3%となった。
 県内工業地(4地点)の平均変動率はプラス1・9%(同プラス2・1%)と、7年連続で上昇したが、上昇率はやや縮小した。3地点で上昇し、残る1地点は横ばいだった。
 気仙の公示地価は別表の通り。