健康と癒やし 届けたい 元調理師の飯田さんが開業 末崎町の温活カフェ「きらり」(別写真あり)
令和6年4月5日付 6面
わざわざ都会に行かずとも、健康や癒やしをかなえる場所に──。大船渡市末崎町字大浜にある温活リラクセーションカフェ「おうちリラックス きらり」は、元調理師のオーナー・飯田由香さん(54)が手掛けるおいしい料理と、「よもぎ蒸し」などのリラクセーションを楽しめる場所だ。料理とリラクセーションで心身の健康を支えるだけでなく、小規模なイベント会場として地域住民が集う憩いの場にもなっている同店。飯田さんは今後も、対人関係が苦手な人の居場所や、料理の配達を通した高齢者の見守りなど、同店を活用した多様な取り組みに意欲を見せる。
平成23年まで、市内の学校給食の現場で調理師として働いていた飯田さん。膠原病を発症したことで調理師を続けることが難しくなり、別の部署に異動して勤務することになったが、常に「自分のやりたいことは何だろう」「やりたいことをしたい」という思いがあったという。
同時に、膠原病の症状を少しでも和らげようと模索する中で、体を温めることで不調を改善する「温活」に出合った。心と体の健康を損なった経験から、「だからこそ、食と癒やしを多くの人に届けたい」と、料理とリラクセーションを提供する店のオープンに踏み切った。
昨年3月で市役所を退職したのち、長く貸家だった実家を活用し、同年夏に温活リラクセーションカフェ「おうちリラックス きらり」を開業。オープンにあたっては、元市職員のグラフィックデザイナー・菅原英資さん=赤崎町=が看板をデザインするなど、市役所時代の友人や先輩たちにも助けられた。
現在は料理を求めて来店する人が多く、ナポリタンをはじめとしたパスタ料理やオムライス、サンマのかば焼き、タイ人の親戚から教わったグリーンカレーなどを中心に、その時々で変わるメニューを提供している。学校給食の現場で多種多様な料理を作ってきた経験から、「和洋中どんな料理でも大丈夫」で、オードブルや仕出し弁当、さらには「肉を使わないボロネーゼが食べたい」といったリクエストまで柔軟に対応する。
また、リラクセーションでは、頭皮をほぐして血流をよくする「ドライヘッドスパ」、ヨモギを煎じた蒸気で体内から温める「よもぎ蒸し」、全身の血行促進につながる「酸素カプセル」を提供。また、インド・スリランカ発祥の伝統的な医学「アーユルヴェーダ」についても学びを深めており、「今年の夏頃から、日本人に合わせた〝和のアーユルヴェーダ〟も始められれば」と見据える。
このほか、全国展開するパンケーキ専門店「こびとぱん」とライセンス契約を結んでおり、県内で唯一、同店のパンケーキを販売。学校給食の定番であるきな粉揚げパンや、サイドメニューのポテトサラダも人気を集める。こうした料理やリラクセーションを提供する際には、現代人のミネラル不足を考慮し、使用する水は全てミネラル水にしているという。
店内にある六つの個室は、それぞれ独立して出入りできるのが特徴で、「フリースクールではないが、対人関係が苦手な人が一人で静かに学べる場所になれたら」と飯田さん。併せて、対人の仕事に慣れる〝足がかり〟として、就職に不安を抱える人が訓練的に働く場所になることも目指す。
過去にはパン教室やこうじ教室が開かれたりと、地域住民が趣味を楽しむ場にもなっている同店。飯田さんは「わざわざ都会に行かなくても、小じゃれたものを食べたり、リラクセーションを楽しんだりできる場所があることを、地元の人に知ってもらいたい。ここはツバキの名所にも近いので、内陸から観光がてら立ち寄ってもらい、疲れを取ってから帰ってもらう場所になれば」と話している。
基本的に金曜日が定休日。そのほかの曜日も臨時休業となる場合がある。開店時間は午前10時から午後4時までだが、予約が入れば夜も店を開き、宴会などにも応じる。
問い合わせは同店(℡22・9146)へ。





