3年ぶり新入生20人超え 住田高校で入学式 県外からの「みらい留学」も(別写真あり)

▲ 住田高には3年ぶりに20人を超える新入生が入学

 気仙の県立4高校の入学式が9日、一斉に行われた。住田町の住田高校(伊藤治子校長)では、令和4年度、5年度の入学者が県教委が生徒募集停止の判断要素とする「2年連続の20人以下」となっていたが、本年度は同校初となる「地域みらい留学」による2人を含め、28人が入学。新入生たちは、小規模校ならではの環境や住田の豊かな自然の中、充実した3年間を送っていくことを心に誓い、高校生活に期待を膨らませながら新たなスタートを切った。(清水辰彦)

 

 式では、保護者や在校生、来賓、教職員らが見守る中、新入生がりりしい表情で入場した。
 伊藤校長は「地域みらい留学生2人が加わり、新しい住田高校の幕開けの年でもある。小規模校だが、一人一人と深く関わり、お互いを大切にする環境がある。美しい住田の自然に根ざした地域の文化や伝統、人々との強い絆という最高の教材がすでに準備されている。この住田で、生きるための力を身につけてほしい」と式辞。
 新入生を代表し、菊田玲音さんが「住田高校の一員として常に向上心を持ち、それぞれが掲げる目標の達成につなげていく。二度とない高校生活を大切に過ごしていく」などと誓いの言葉を述べた。
 祝辞を述べた神田謙一町長、菊池真樹PTA会長は、それぞれ小規模校ならではの魅力に触れ、町独自教科・地域創造学などを通じた生徒たちの成長に期待を込めた。祝電披露に続いて校歌が紹介され、新入生たちは響き渡る歌を心に刻み、日々を大切にしながら過ごしていくことを誓った。
 同校の入学者は4年度が19人、5年度が17人で、2年続けて20人を下回った。
 県教委による県立高校再編計画では、住田を含めた1学年1学級校について、入学者数が2年連続で20人以下になった場合、原則として翌年度に募集停止し、統合を進めるとしている。
 ただ、県教委では、同校に対して町がさまざまな支援を展開していることや、地域が一丸となって高校の魅力向上を図っていることから、6年度の入学者も継続して募集することとした。
 学校存続の正念場となる中、入学者20人超えを目指し、町や町内各中学校、住田高校の校長ら、PTA、町内団体・企業などを委員とする「住田高校魅力化推進会議」では、生徒確保のための魅力創出に向けて協議を重ね、国際交流などの「多様な出会いの場」づくり、町独自教科・地域創造学の充実、生徒が挑戦できる環境づくりなどに取り組んできた。
 その結果、本年度は県外向け募集枠の「地域みらい留学」による千葉県と神奈川県からの2人の入学者含め、20人を上回る28人が入学した。
 同日は住田のほか、大船渡、大船渡東、高田の各高校でも入学式が行われた。