2024大船渡市議選/渕上市政への評価…慎重な見方目立つ 吉浜太陽光発電…「推進すべき」過半数 議員定数改正…「16」~「18」大半占める 出馬予定者20人にアンケート

 任期満了に伴う大船渡市議会選挙(14日告示─21日投開票、定数20)は、告示まで残り2日に迫った。東海新報社は、5日の事前審査に臨んだ立候補予定者20人を対象にアンケートを実施。渕上市政への評価には慎重な見方が多く、三陸町吉浜地区の市有地で計画されている太陽光発電事業に関しては「推進すべき」が過半数となった。議員定数は「16」~「18」への削減を望む考えが大半を占めた。(佐藤 壮)

 

告示2日前

 

 議員を目指す候補予定者は、現状や地域課題をどうとらえているのか。出馬を予定する20人全員が回答したアンケート結果からは、市政への率直な思いや、市議会運営の方向性が浮かび上がる。
 渕上清市長は、令和4年12月に就任。史上最多となる新人5人の激戦を制した市長選では、地場企業の振興や子育て分野の充実などを訴えた。
 1年4カ月が過ぎた現市政に「評価する」は2人で、「評価しない」は5人。「どちらとも言えない」が13人となった。
 「リーダーシップを発揮して政策を具体に推進できるタイミングではない」「判断材料が少ない」など、慎重な意見が目立った。「地域課題に取り組んでいる」と支持する一方で、「『未来の3本柱』の具体的施策が見えてこない」「独自カラーが見えない」といった厳しい見方もあった。
 吉浜地区の大窪山市有地を中心に民間事業者が計画している太陽光発電事業については「推進すべき」が11人、「見直し・やめるべき」が6人、「どちらとも言えない」が3人だった。
 「自然との調和が図られている」「企業誘致の一つとして取り組むべき」「持続可能な社会に必要」など、前向きな見方が多かった。一方で「土砂崩れ等の事故があれば、吉浜湾も影響を受ける」「吉浜地区住民の意思が軽視されている」との指摘も寄せられた。
 市議会議員の定数に関しては「改正すべき」が15人となり、人口減を理由に挙げる意見が多かった。具体的な数に関しては「18」「16」「16~18」に集中した。「現状維持とすべき」は3人、「どちらとも言えない」が2人だった。
 5月8日(水)の任期満了に伴う今回の市議選は、昭和27年の市制施行後通算19回目。陣営の多くは、遊説に用いる選挙カーなどの準備を整え〝臨戦態勢〟に入っている。
 現段階では候補予定者が定数を上回っておらず、初の無投票に終わる可能性がある。市選管には、出馬意思を示した20人とは別に、立候補の届け出に必要な書類記入に関する確認や問い合わせがあり、告示まで予断を許さない状況が続きそうだ。
 立候補の届け出は14日午前8時30分~午後5時に、市役所地階大会議室で受け付ける。
 3月1日現在の有権者数は、2万8764人(男1万3687人、女1万5077人)。令和2年の前回投票日に比べ、2180人少ない。