陸前高田の魅力知って 本年度の民泊修学旅行始まる 受け入れ家庭募集

▲ 対面式で「陸前高田さ、はまってけらっせ」と声を合わせ、生徒を出迎えた住民

 陸前高田市で、修学旅行生が一般家庭に宿泊する「民泊」の取り組みが本年度も始まった。受け入れ数は新型コロナウイルス禍で落ち込んだが、本年度は全体で約2600人とコロナ流行前の規模に戻る。東日本大震災の教訓を学んだり、農漁業の作業に一緒に汗を流したりと、陸前高田ならではの暮らしの一端を住民との交流を通じて体験できるのが魅力の民泊。生徒と家庭を結ぶ同市のNPO法人SET(三井俊介理事長)は随時、新規受け入れ家庭を募集している。(高橋 信)

 

 本年度の受け入れ1校目は、北海道千歳市の北斗中学校(畠山学校長)。3年生79人が11日、市内の家庭22軒に分かれて1泊した。
 同日、高田町の夢アリーナたかたでは生徒と受け入れ家庭との対面式が行われ、住民は「ようこそ陸前高田へ」と書かれた横断幕を手に歓迎した。
 式には石渡史浩副市長も参加。「生徒の皆さんには普段体験できないような田舎暮らしを思い切り楽しんでほしい。陸前高田を第二の古里と思ってもらえるような交流を行ってほしい」と呼びかけた。
 生徒代表は「地域の人たちとの交流で得られた新たな学びや気付きを、これからの生活に役立てたい」と意欲を語った。
 受け入れ家庭の高田町の柳下紀夫さん(64)は「これまでに5、6度生徒を受け入れてきた。おもてなしをするのではなく、伸び伸びと過ごす時間を提供している。こちらも刺激になり楽しい」と話した。
 陸前高田市での民泊型修学旅行は、平成28年度に本格化。年々認知度が高まり、令和元年度は過去最多の約2500人の修学旅行生が民泊を体験した。
 2、3年度はコロナ禍で休止。4年度の利用者は2校195人、5年度は5校721人だった。
 本年度は、春季に7校約1300人、秋季に6校約1300人の合計約2600人が訪れる予定。SETは「より多くの市民と生徒との交流の場を創出したい」などと新規受け入れ家庭を随時募集している。
 三井理事長(35)は「生徒との交流は地域の人にとって心の健康につながる。震災の経験と教訓を次世代に伝えるという意味でも民泊修学旅行は意義がある。地域の皆さんのご協力をいた

だき、この事業を大成功させたい。興味がある家庭はぜひ生徒の受け入れに力を貸していただきたい」と語る。
 受け入れ家庭の申し込みは、インターネットの専用フォーム(QRコードは別掲)から。問い合わせは、SET民泊担当(℡070・2021・6390、メールtakataminpaku@nposet.com)へ。