交流の深化誓い帰国 佐々木市長ら訪問団 米友好都市クレセントシティから

▲ クレセントシティの市民らと交流した訪問団メンバー(陸前高田市提供)

 陸前高田市の佐々木拓市長や及川修一市議会議長らが、姉妹都市である米カリフォルニア州クレセントシティ市への訪問を終え、16日に帰国した。訪問団メンバーは友好関係を築くきっかけや交流の軌跡をPRする現地での記念行事などに臨み、今後の交流事業のあり方を確かめ合った。
 訪米したのは、市長、議長のほか、山田市雄教育長、市民有志でつくる「クレセントシティ友好の会」の村上清顧問、大林孝典会長ら9人。10日に陸前高田市をたち、15日まで滞在した。
 両市の交流は、東日本大震災の津波で流された高田高の実習船「かもめ」が、震災から2年後の平成25年4月、クレセントシティに漂着したのがきっかけ。滞在中には漂着を記念するイベント「カモメフェスティバル」が開かれ、訪問団も出席した。ダンスや太鼓演奏が繰り広げられ、両市の交流の歩みを紹介する写真展も行われた。
 クレセントシティ友好の会は、現地の友好団体と懇談。市民同士の交流を発展させるべく意見を交わした。陸前高田市は高田高生の国際感覚を養おうと、クレセントシティ市への短期留学を構想しており、実現に向けて双方の教育委員会関係者による話し合いの場も設けられた。
 このほか、メンバーはクレセントシティがあるデルノーテ郡を襲った昨年の山火事現場や、同州北部のシリコンバレーを視察した。
 及川議長は「クレセントシティとの交流の可能性がさらに広がる訪問となったと感じた。グーグル本社なども視察し、今後の陸前高田市のありようを考えるうえでも有意義だった」と総括。「人や世代が変わっても絆が途切れないよう議会としてもこの縁を大事にしたい」と強調した。
 佐々木市長は「子どもからお年寄りまでたくさんの人に歓迎していただき、非常にうれしかった。津波を受けた経験や海がすぐそばにある自然環境、景色が陸前高田と酷似しており、まるで『海を越えた自分のまち』のよう。この関係性を永久的に持続させ、さらに高校生の短期留学などの交流事業を具体的に進めていきたい」と意欲を示した。