行楽シーズン幕開け 氷上山で山開き 市内外の人々が自然満喫

▲ 祈祷ヶ原から山頂に向けて歩みを進める登山客

 陸前高田市の氷上山(874㍍)は20日、山開きを迎えた。気仙内外から訪れた登山客らが、この時期ならではの山林の景色や美しい海、ふるさとの様子を目に焼きつけながら、足取りも軽く頂上を目指した。
 同日朝は、高田町の氷上神社で同市観光物産協会(熊谷正文会長)による山開きの神事を実施。熊谷会長や佐々木拓市長ら同協会、市関係者ら5人が参列し、シーズン中の無事故を祈念した。
 登山客らは、「すずらん」「中央」「玉山」の3コースから入り、クマ対策の鈴やラジオを鳴らしながら山道を進み、開けた場所から見える市街地や海に目を向けつつ、頂上までの道のりを楽しんだ。
 登山客の休憩地点となっている9合目の祈祷ヶ原では、昼の時間に合わせ、同協会や市職員、ボランティアらが同市の食材を使って作った鍋料理50食余りを振る舞った。青空のもと、料理を味わった登山客らが明るい声を響かせ、交流を楽しんだ様子だった。
 宮城県気仙沼市から訪れた梶原耕一さん(45)は「初めてすずらんコースから登った。天気に恵まれたこともあって、見晴らしのいいコースだと感じた。友人たちを誘ってまた登りに来たい」と話していた。
 これから夏にかけて気温が上昇することから、同協会では「クマに加え、熱中症や虫の対策など、しっかり準備をしてから山登りを楽しんでほしい」と呼びかけている。