からあげグランプリで金賞受賞 マイヤの「三陸産昆布根藻塩鶏唐揚げ」 北日本スーパー総菜部門で

▲ 金賞を受賞したマイヤの三陸産昆布根藻塩鶏唐揚げ。各店舗では専用のコーナーを設け地元産食材を使った商品をPRする

 (一社)日本唐揚協会主催の「第15回からあげグランプリ」の北日本スーパー総菜部門で、大船渡市に本社を置く㈱マイヤ(井原良幸代表取締役社長)の「三陸産昆布根藻塩鶏唐揚げ」が金賞を受賞した。本県唯一の受賞で、大船渡産の昆布から作られた藻塩をはじめ、店舗を展開する県内外の食材を使用したこだわりの一品。商品は各店舗で販売しており、社員らは受賞を励みに、地元産のさらなる広がりに期待を込める。(菅野弘大)

 

地元産など使用食材にこだわる

 

 「今一番美味しい唐揚げはどれだ?」を合言葉に開催する同グランプリ。おいしい唐揚げを見つけ出し、それを日本、世界へ伝えることを狙いに、平成22年から開催されている。
 今大会は▽素揚げ、半身揚げ▽しょうゆダレ(東日本、中日本、西日本)▽手羽先▽チキン南蛮▽塩ダレ▽味バラエティ(東日本、中日本、西日本)▽素材バラエティ▽弁当▽スーパー総菜(北日本、東日本、中日本、西日本)──の各部門が設けられ、このうちスーパー総菜部門には129社がエントリーした。
 今回が初エントリーとなったマイヤでは、しょうゆ味の唐揚げはすでに販売しており、今回は塩味の商品を作ることを決定。店舗を展開する県内外地域の特産品、素材を使うことをコンセプトに、昨年11月から開発に着手し、試作を重ねた。
 商品開発にあたり、味の鍵となる塩は、同市猪川町で加工品開発や製造・販売を手がける㈱シャイン(桑野祐一代表取締役)の「昆布根藻塩」を選んだ。廃棄される昆布の根の部分を再利用した商品で、栄養価が高く、SDGsの取り組みも推進するマイヤの理念にも合致。この藻塩に、岩泉町産のあら切り本わさびと、二戸市の「南部美人」の日本酒を加えて特製の調味液を作り、肉を包む衣には、宮城県産の米粉が入ったブレッダー粉を使用するなど、味と食感にこだわった一品が出来上がった。
 一口かむと、ジューシーな肉のうま味と程よい塩味が広がり、後味には高温の油で揚げることで辛味が抑えられたわさびのすっきりとした風味が感じられ、さっぱりとした仕上がりとなった。書類審査をクリアし、その後に行われた試食審査では、審査を受ける順番が最後方だったにもかかわらず、後味に残るわさびの爽やかさが「食べやすい」と高い評価を受け、初エントリーで金賞を獲得する快挙につながった。
 マイヤの第1商品部デリカベーカリーグループの尾形英一グループ長(49)は「岩手県の企業としての誇りを持って参加させていただいた。食材の選定や試作を重ねるうちに新たな発見もあり、自社の特徴を出せた一品になったと思う」と振り返り、「地元産を鮮度良く加工した商品を作るなど、生産者といい関係を築いて今後もやっていきたい」と話している。
 三陸産昆布根藻塩鶏唐揚げは、マイヤ各店舗で100㌘279円(税込み)で販売。400㌘のお得なメガ盛りパック(1059円)も取り扱っている。