6年度の小中学生3187人 前年度を99人下回る 気仙 平成24年度比34・9%減 少子化進行 より顕著に

 気仙3市町の教育委員会によると、令和6年度当初における3市町の小学生は2063人(前年度比48人減)、中学生は1124人(同51人減)の合計3187人(同99人減)となった。3市町の総数は平成30年度以降、前年度からの減少数が縮小を続けてきたものの、本年度は7年ぶりの拡大に転じた。東日本大震災が発生した翌年の平成24年度と比べると34・9%減少しており、少子化の進行が顕著に表れた形となった。(三浦佳恵)

 

 本年度の小中学校数は、大船渡市が11小学校・4中学校、陸前高田市が8小学校・2中学校で、前年度と同数。住田町は2小学校・1中学校で、今月、世田米中と有住中の統合による住田中が誕生し、前年度から中学校が1校減った。
 児童・生徒数は、大船渡市が小学生1298人(前年度比47人減)、中学生705人(同17人減)の計2003人(同64人減)。陸前高田市は小学生632人(同2人増)、中学生339人(同19人減)の計971人(同17人減)。住田町は小学生133人(同3人減)、中学生80人(同15人減)の計213人(同18人減)だった。
 本年度と平成24年度を比較すると、3市町は児童・生徒合わせて1710人の減。
 市町別の減少数は、大船渡市が小学生490人、中学生415人の計905人(31・1%)。陸前高田市は小学生370人、中学生252人の計622人(39・0%)。住田町は小学生132人、中学生51人の計183人(46・2%)。大船渡市の減少率は初めて3割を超え、住田町の小学生はほぼ半減した。
 児童・生徒の総数における前年度からの減少数は平成30年度以降、縮小傾向が続き、過去3年をみると令和3年度103人、4年度80人、5年度48人で推移。しかし、6年度は99人と平成29年度以来、7年ぶりに増えた。
 本年度、全校児童数が最も多いのは猪川(大船渡市)の260人で、最少は矢作(陸前高田市)の23人。2クラス以上の学年があるのは、大船渡市の猪川(2~6学年)と立根(3学年)。
 複式学級編成は、大船渡市が日頃市1学級と吉浜2学級。陸前高田市は、気仙1学級、矢作と竹駒が各3学級、横田が2学級。住田町は有住2学級。
 新1年生は、大船渡市184人(同30人減)、陸前高田市102人(同3人減)、住田町21人(同2人減)の計307人(同35人減)。最も多い学校は猪川の35人で、最少は吉浜の2人だった。
 中学校の全校生徒数は第一(大船渡市)が最多の396人で、最少は末崎(同)の71人。2クラス以上の学年があるのは、大船渡市の第一(全学年)と大船渡(2、3学年)、東朋(2学年)、陸前高田市の高田第一(全学年)と高田東(同)。
 新1年生は、大船渡市221人(前年度比21人減)、陸前高田市100人(同4人減)、住田町21人(同7人減)の計342人(同32人減)。最多は第一(大船渡市)の132人、最少は住田の21人。
 気仙の小中学校を巡る動きをみると、住田町で新設統合に伴う住田中が開校し、町内唯一の中学校に。大船渡市では昨年11月、大船渡中と末崎中を閉校し、7年4月に「大船渡中」として新設統合することが決まり、本年度はその準備や生徒間交流が本格化する。
 陸前高田市では小学校における統合の具体的な方針は何も定まってはいないものの、市教委では「再編も選択肢の一つに入れながら、改めて議論する時期にある」とし、方向性を決めるに当たっては、保護者や地域の意見、各地の事情も総合的に考慮する意向を示している。
 児童・生徒数の推移は別表。