健やかな成長願って 杣遊会が小学1年生にムクロジのストラップ贈る(別写真あり)

▲ 杣遊会メンバーが小学校を訪問してストラップを寄贈

 住田町のSUMITAチェーンソーアート杣遊会(佐藤清司会長)は22日、世田米、有住両小学校の新入学児童にムクロジの種で作ったストラップを寄贈した。古来から病を払う力があると伝わるムクロジ。同会では子どもたちの無病息災を願うとともに、将来の担い手たちが古里の山林に興味を深めてくれるよう期待も込めた。(清水辰彦)              

 

岩城副会長が製作したムクロジのストラップ

 ムクロジは、新潟県、茨城県以南に主に分布する落葉高木。その実は古くから石けんとしても使われ、「石けんの木」「ソープナッツ」との別名も持つ。実の中には黒く固い種が入っており、はねつきの玉やストラップ、数珠などに加工される。
 「子どもが患うことが無いように」との意味を込めて漢字では「無患子」と書くことから、この木で作った棒で鬼を払ったという伝説もあり、古くから邪気=病を払う力を持っていると伝えられている。
 杣遊会の岩城和彦副会長(64)が、「子どもたちは地域の宝。元気にすくすく育ってほしい」との思いからストラップを

作製、寄贈することとした。
 ストラップに用いたムクロジの種は、陸前高田市内で調達。今月に入ってから製作に着手し、3~4日間かけて世田米、有住両小学校の1年生分合わせて21個を完成させた。
 22日は、岩城副会長ら杣遊会メンバーが学校を訪問。1年生の教室で、岩城副会長が児童を前に「みんなが病気にならず、すくすく大きく育ってほしいと思って作りました」とあいさつして一人一人にストラップを贈呈した。
 子どもたちもムクロジの種をまじまじと見つめながら、ストラップに込められた思いを感じ取って笑顔を見せていた。
 岩城副会長は「ストラップを通じて杣遊会のことを知ってもらって、住田の山にも興味を持ってくれれば」と話していた。
 杣遊会は平成22年5月、「チェーンソーアートで町を元気に」と、住田町内などの林業関係者らが中心となって旗揚げした。
 「森林・林業日本一の町」を目指す同町を拠点に、チェーンソー彫刻を通じたまち並み整備や作品の特産品化といった取り組みに参画。町内でのチェーンソーアート競技大会の開催、町文化産業まつりをはじめ、気仙管内の各種イベントにおけるチェーンソーアートデモンストレーションなどを行いながら、地域活性化を後押ししている。