27年ぶりの出演へ猛稽古 平組はしご虎舞 碁石海岸観光まつりで披露(別写真あり)

▲ 27年ぶりの出演に向け平組はしご虎舞の夜間稽古が行われている(23日)

 5月3(金・祝)、4(土・祝)の両日、大船渡市末崎町の碁石海岸レストハウス前で開催される「大船渡碁石海岸観光まつり」(実行委主催)に、平組はしご虎舞が出演する。同まつりでの虎舞披露は、平成9年以来27年ぶり。地域内外から多くの来場者が訪れるイベントでの演舞に向け、同虎舞保存会のメンバーが夜間の猛稽古に汗を流している。
 平地域に約270年前から伝わるとされるはしご虎舞。市指定無形民俗文化財にもなっており、昨年11月に行われた末崎町神坂の熊野神社式年大祭でも、祭りの呼び物として奉納演舞を披露するなど、保存部メンバーらが伝統の継承を続けている。
 かつては式年大祭だけでなく、観光まつりにも出演していたが、平成9年を最後に長らく出演機会がなかった。今回、27年ぶりとなった出演依頼を受けることとし、今月22日から同町のふるさとセンター体育館で夜間稽古を開始した。
 昨年の式年大祭では、初の試みとして高さ約16㍍の本はしご以外に、屋内用として作られた約6㍍の短いはしごを使った余興奉納も展開。今回の同まつりでも、会場や周囲の安全を考慮して、6㍍のはしごで演舞を行うことを決め、出演する大人のメンバーらが熟練の技を披露する。
 はしご虎舞の頭を担う佐藤実さん(40)は「半年前の式年大祭の感覚を取り戻すように練習している」と語り、「観光まつりには各方面からさまざまな人が来る。1人でも多くの人に平組はしご虎舞を知ってもらえるように、楽しませる演舞をしたい」と意気込む。
 保存会長も務める平地域公民館の金野一郎館長(66)は「4年に1回ではなく、何かの機会を捉えて披露し、地域の伝統をつないでいければ」と話している。観光まつりでの平組はしご虎舞の出演は3日正午頃の予定。