陸前高田観光の形探る 「若手勉強会」が報告会 トライアル企画振り返る

▲ 各チームがトライアル企画の成果などを発表

 陸前高田市と同市観光物産協会(熊谷正文会長)による「陸前高田の観光を考える若手の勉強会」(以下、若手勉強会)の報告会は22日夜、高田町の市コミュニティセンターで行われた。今年2月に市内でのイベント開催や地場産品のプロモーション企画を手がけた二つのチームが活動報告し、実践から得られた成果と反省を次のアクションに生かすことを誓った。


 若手勉強会は、同市の観光産業において前線で活躍する40代以下の有志を対象にし、市内経済活性を目指す検討や勉強を行う集まり。令和4年12月のキックオフ会議を皮切りに検討会を展開し、5年度は「コンテンツ」と「プロモーション」の2チームに分かれ、トライアル企画の実践に向けた議論を重ねてきた。
 今年2月には、コンテンツチームが中心市街地で食べ歩き企画「たかた冬フェス『あなたはあまじょっぱどっち!?』」を実施。同市ならではの「甘い」または「しょっぱい」メニューを提供する飲食店をチラシで紹介し、プレゼント企画や体験イベントも展開。
 一方、プロモーションチームは、旬のカキにスポットを当てたフェアを企画。フェア対象店のカキグルメを道の駅高田松原とインターネット上で宣伝し、アンケート結果から客の動きを分析した。
 報告会は、このトライアル企画の結果を観光業や協力飲食店の関係者らに示すもの。同市の村上知幸地域振興部次長や市観光物産協会の桒久保博夫事務局長を含む20人余りが出席した。
 報告では、まずコンテンツチームの6人が、食べ歩き企画の概要や経緯、期間中の現地の様子、アンケートの集計結果などを説明。オフシーズンにあたる2月にイベントを開催し、例年より客が多くて良かったという店舗側からの声や、知らない店に足を運ぶきっかけになったというフェス参加者からの声を挙げ、にぎわい創出のヒントを得たことを語った。
 次いで、プロモーションチームの4人は、フェア参加者のアンケート結果をもとに、道の駅でチラシ配布を行った場合と、インターネットでSNS広告を発信した場合の客の動きを比較。チラシ配布は「客が道の駅内の店舗に流れ、観光消費額は増加するが、中心市街地への送客効果は限定的」、SNS広告は「道の駅よりも中心市街地の対象店で食べた人が多かった」と分析結果を報告した。
 若手勉強会の取り組みは6年度も継続する。参加者らは、トライアル企画から見えた課題や、報告会での意見などをもとに、今後の展開を議論していく。    (阿部仁志)