不正薬物などの密輸阻止へ 大船渡税関支署 5月12日まで「取締強化期間」

▲ 大船渡税関支署でも取締強化月間の看板を掲出

 函館税関による「不正薬物、銃器、金地金などの取締強化期間」は25日、始まった。5月12日(日)までの期間中、大船渡税関支署(多田良和支署長)でも、関係機関や市民らに情報提供などの協力を呼びかけ、不正薬物や銃器等の密輸阻止に向けた取り締まりを強める。
 函館税関によると、令和5年に同税関が摘発した関税法違反事件のうち、不正薬物事犯は13件(覚醒剤1件、大麻7件、麻薬5件)、金地金事犯は2件。6年は3月末までに12件の不正薬物事犯(大麻6件、麻薬と指定薬物が各3件)が発生している。
 5年の告発件数は24件となり、不正薬物事犯22件(覚醒剤4件、大麻6件、麻薬10件、指定薬物2件)、知的財産侵害事犯2件。6年は3月末までに、不正薬物事犯5件(大麻と麻薬各2件、指定薬物1件)が起きた。
 また、財務省のまとめによると、5年に全国で押収された不正薬物の摘発件数は815件と前年を231件下回った。一方、押収量は2406㌔と前年から1060㌔増加。8年連続で1㌧を超え、元年の3339㌧に次ぐ過去2番目の多さを記録した。
 函館税関では今回の期間中、外国貿易船、外国貿易機、輸入貨物などに対する取り締まりを一層強化。覚醒剤などの不正薬物、銃器、金地金などの密輸阻止に向け、目を光らせていく。
 大船渡税関支署では期間の初日、玄関に専用の看板を掲出。期間中は、大船渡市大船渡町内で検問を行う予定で、港の利用者らに不審荷物などの情報提供を求めていく。
 多田支署長は「全国の不正薬物摘発状況をみると、前年に比べて件数が下回った一方で押収量は上回り、1件当たりが大口化する傾向がみられる。大船渡支署としても取り締まりを強化していきたい」と話している。
 税関では、24時間対応の密輸ダイヤル(0120・461・961)を設け、情報提供を呼びかけている。