〝観光拠点〟へ期待高まる 滝観洞観光センター 新施設が待望のオープン(別写真あり)

▲ 施設の完成を祝ってテープカット

 住田町上有住の滝観洞観光センターが27日、リニューアルオープンし、現地で落成式と滝観洞の安全祈願祭が行われた。関係者は、新しい施設が住田の観光拠点としてにぎわっていくとともに、沿岸地域への誘客にも波及するよう期待を込めた。(清水辰彦)

 

 式には町、同センターの指定管理者である住田観光開発㈱(松田栄代表取締役社長)、県の関係者、施工業者、設計業者ら合わせて約20人が出席。
 神田謙一町長は式辞で、新施設の特徴に触れながら「当町の北の玄関口として県内外、海外から観光客を迎え入れ、誘客に寄与する施設になれば」と期待を込めた。
 松田社長は関係者への感謝を示しながら「指定管理者として身の引き締まる思い。関係機関、地域の皆さんと連携し、この滝観洞観光センターから元気とにぎわいを発信していく」と意欲をみせた。
 来賓祝辞に続き、施設の落成を祝ってテープカットが行われ、アトラクションとして、住田町下有住の郷土芸能・高瀬鹿踊りも披露された。式典後は関係者による安全祈願祭も執り行われ、観光シーズンが本格化する中で、一年の無事故を祈願した。
 老朽化に伴って新たに整備された観光センターは、地場産の木材を積極的に使用し、2階建ての施設の1階には物販スペースや受付カウンターなど、2階には食堂や滝観洞の名物「滝流しそば」の体験スペース、テラスを整備。トイレは男・女に加え、オールジェンダー用も設けられている。この日は早速、町内外から観光客が訪れ、滝観洞内の探検や新施設での食事などを楽しみ、活気にあふれた。
 滝観洞は全長3635㍍、高低差115㍍におよぶ国内屈指の鍾乳洞で、洞部にはライトアップされた鍾乳石が輝き、ダイナミックな造形の岩肌や地下水などによる神秘的な光景が続く。洞口から約880㍍地点には高さ約60㍍に及ぶドーム型の空間があり、その天井部の裂け目から落差29㍍の「天の岩戸の滝」が注ぐ。昭和41年に洞窟開きが行われて以来、滝観洞観光センターとともに、町が誇る観光資源として広く親しまれている。