能登地震火災もテーマ化 市独自の防災マイスター養成講座 国内トップ研究者ら講師に 受講無料 23日まで募集
令和6年5月2日付 7面

陸前高田市は今月から12月まで、高田町の市コミュニティホールで市防災マイスター養成講座を開く。本年度も国内の防災分野におけるトップレベルの研究者らによる多彩な講座を予定。能登半島地震に伴う石川県輪島市の大規模火災の現場を調査した東京大大学院工学系研究所の廣井悠教授を、新たに講師に迎える。受講無料で、23日(木)まで募集している。
対象は市内在住、または市内に通学・通勤する中学生以上の人。
13講座を予定し、1講座当たり75分。全15単位のうち、11単位以上出席した人をマイスターに認定する。時間はいずれも午後1時30分~4時30分。
26日(日)の初回は、静岡大防災総合センターの牛山素行教授が基調講演し、ハザードマップの正しい見方などを解説する。
2回目以降は東京大教授、岩手大教授ら防災に詳しい研究者らに加え、盛岡地方気象台職員や先輩マイスターらが講師を務める。気象情報や避難情報に関する基礎知識を学ぶほか、ゲーム形式で避難所運営の方法を学ぶ「HUG」の体験、震災津波伝承館の見学、救命講習などを予定している。
8月25日(日)の講座「地震火災」は、能登半島地震被災地で甚大な火災被害が出たことを受け、新たに組み込んだ。講師の廣井教授は日本火災学会のメンバーで、輪島市の観光名所「輪島朝市」周辺で起きた大規模火災について現地調査した。講座では輪島の大火について触れながら、地震火災から命を守る方法について説く予定。
養成講座は大規模災害発生に備え、防災に関する知識や技術を習得し、地域の防災リーダーとなる人材を増やそうと、市が平成30年度から実施している。
これまでに計115人のマイスターを輩出。昨年度はマイスター有志でつくる「防災マイスターの集い」(佐藤健会長、会員45人)が発足し、防災イベントで啓発に励むなど、認定者による自発的な取り組みが動き出した。
本年度の講座定員は50人。申込先は、市消防防災センター2階の防災課(〒029・2205陸前高田市高田町字栃ヶ沢210の2、ファクス55・2648、メールbousai@city.rikuzentakata.iwate.jp)。申込書に必要事項を記入したうえ、郵送、FAX、メール、持参のいずれかで提出する。
講座の日程は別掲。問い合わせは同課(℡54・2111内線703)へ。