107号高規格化の後押しに 大船渡港コンテナ貨物 5年度実績過去最多 上積みへ内陸とのアクセス強調
令和6年5月2日付 1面

令和5年度の大船渡港コンテナ貨物取扱量(全量、空コンテナ含む)は過去最高の実績となり、大船渡市内の経済界などからは、県内陸部との道路整備充実を求める声が強まっている。さらなる貨物増加に向け、輸出向けをはじめ貨物をきめ細やかに確保できるかが鍵に。市は本年度、一般国道107号等期成同盟会決起大会に関する事業費を新たに盛り込み、県や国への働きかけを強める中、貨物増の〝追い風〟をどう生かすかも注目される。(佐藤 壮)
「さらに大船渡港を良くしていくためには、やはり、国道107号線高規格道路の早期実現が欠かせない。県、国に働きかけ、高規格化になっていけば、大船渡港の魅力づけになると思っている」。
4月26日に開かれた同港振興協会の総会に出席した大船渡商工会議所の米谷春夫会頭は、同30日にあった同商議所の定例会見で、こう語った。決起大会開催の動きにも触れ、さらなる機運醸成に期待を込めた。
総会では、事務局を担う市側から、令和4年における県内重要港湾海上貨物量のうち同港が半数超を占めた状況に加え、5年度の同港コンテナ貨物取扱量の実績が示された。
輸入・輸出合わせた全体では前年度比37%増の5301TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個)。これまで最も多かった令和3年度の3938TEUを大きく上回り、過去最多を更新した。
市企業立地港湾課では「積極的なポートセールスに加え、港湾に精通し、県内企業とも情報交換を重ねている(民間企業所属の)大船渡港物流強化支援アドバイザーらと一丸となって取り組んだ成果」と総括する。
全量実績のうち、輸入は2104TEUで、前年度から15%増加。すべて実入りで、東北を中心に仕向ける住宅建材の輸入利用が好調だった。廃プラスチックを中心とした国内移入利用も403TEUで、前年度実績から約3割伸びた。
輸出の全量実績は2371TEUで、前年比66%増。一方、実入りで輸入と輸出のバランスが合わないことで、空コンテナ輸送が1535TEUと前年の3・5倍増となった。輸出貨物の確保が、当面の課題となる。
輸送に必要なハーバークレーンやリーチスタッカーの管理運営などを担う大船渡国際港湾ターミナル協同組合の細川廣行理事長は「輸出では、県産材を中国に持っていく流れなどが広がり、今後も増えていくと思われるが、まとまった数を一気に獲得するのは難しい。少しずつ集めることが重要」と話し、内陸部とのさらなるアクセス充実の必要性も指摘する。
「港湾振興と道路は一体のもの」と、市関係者も語る。一般国道107号整備促進と(仮称)大船渡内陸道路高規格化実現を訴える期成同盟会(会長・渕上清大船渡市長)は毎年、県や国に提出する要望書の表紙に、峠部を走行するコンテナ輸送トラックの写真を添えている。
同会は▽白石峠区間改良整備の早期着工を図る▽重要物流道路および生産拠点と物流拠点のネットワークを中心に、機能強化や補助事業による重点整備を行う──などを強調。市は、本年度当初予算に決起大会開催に関する事業費140万円を新規計上した。
住田町境に位置する白石峠区間は、令和4年度に事業化され、現在の白石トンネル前後にある急勾配・急カーブの解消に向け、延長2・3㌔の新トンネルを設ける計画。一日も早い工事着手と完成が望まれる一方、財源確保が課題とされる。
また、同3年に県が策定した新広域道路交通計画では、107号に重なる形で構想路線の「大船渡内陸道路」を登載。住田町と遠野市境の荷沢峠は、冬場は路面凍結の危険が高く、抜本的な改良が求められている。
コンテナ貨物実績は別掲。






