春の徒歩巡礼がスタート 気仙三十三観音 陸前高田、住田両市町で 3日間で19霊場へ

▲ 気仙町の3番札所・古谷観音堂を後にする福田代表(手前)ら

 「祈りの道」再興プロジェクト(福田亮雄代表)による「2024年春 気仙三十三観音霊場徒歩巡礼」は、2日にスタートした。4日(土)まで3日間の日程で、陸前高田、住田両市町の19霊場を巡る。よく晴れた初日は、市内外から10人余りが参加し、晩春から初夏へ移り変わる自然の彩りやまちの風景に目を向けつつ、仲間と一緒に和やかに会話しながら各霊場を巡った。
 気仙三十三観音霊場は、約300年前の享保3(1718)年、気仙郡高田村(現・陸前高田市高田町)の検断役・佐々木三郎左右ェ門知則が、父母の安楽追善供養のため、郡内で観音像を安置する主な寺社(33カ所)を選定、巡礼したことが始まりと伝わる。
 同プロジェクトは、古くから「祈りの道」であった三十三観音巡りを再興させ、東日本大震災で傷ついた人々の心を癒やし、亡き人の冥福や気仙の復興を願おうと平成23年から活動。徒歩巡礼もその一環で、春と秋に実施している。
 今年の春の巡礼初日は、福田代表(56)=東京都台東区、成就院住職=を含む参加者らが、陸前高田市気仙町の要害観音堂から矢作町の馬頭観音堂まで7霊場を歩いて回った。
 汗ばむ陽気の下、水平線がくっきりと見える太平洋を望み、民家の庭に咲く色とりどりの花々などに目を向けながら歩いた参加者ら。目的地の観音堂に着くと、全員で般若心経を唱えて祈りの心を重ねた。
 福田代表は「天気が良く、心も晴れやか。自分の命について考え、今を見つめ直す機会として、これからも続けていきたい」と話していた。