好天に輝くGW後半 碁石海岸観光まつり開幕 多彩な芸能と食で歓迎 きょうも開催(別写真あり)
令和6年5月4日付 1面
大船渡碁石海岸観光まつり(同実行委員会主催)は3日、大船渡市末崎町の碁石海岸レストハウス前などで開幕した。好天に恵まれた中、27年ぶりに地元・末崎町の平組梯子虎舞が登場したほか、カキやホタテ、ワカメの販売など食に関する出店が充実。多彩な企画でゴールデンウイーク(GW)の後半を彩り、市内外から多くの観光客が訪れた。まつりは4日も開かれる。(佐藤 壮)
同まつりは、三陸海岸の代表的な景観地・碁石海岸の美しさを広く発信しようと、毎年開催。朝方からスッキリとした青空に恵まれ、絶好のイベント日和となった。
帰省客や観光客に加え、地域住民も続々と来場。開幕前からステージ前のいすに座った大正10年生まれの武田武男さん(102)=末崎町=は「餅まきの中に入るのが好き。ステージが楽しみ」と話した。
開会式では実行委員長の齊藤俊明市観光物産協会長が「大人も子どもも楽しめる企画が盛りだくさん。2日間、十分ご堪能できると思う」とあいさつ。渕上清市長が祝辞を述べたあと、新任期に入った第26代大船渡つばき娘が紹介され、恒例の餅まきで盛り上がりを見せた。
ステージでは、ナニマーラプアフラスタジオ、おおふなトンと秋刀魚武士、大船渡高校吹奏楽部、アンダーエイジ、平組梯子虎舞、立命館大の学生団体が出演。いずれも躍動感あふれる舞や音色で魅了した。
このうち、約270年の歴史を誇る平組梯子虎舞は、平成9年以来27年ぶりに同まつりに登場。ステージ上や高さ6㍍のはしごで迫力あふれる演舞を繰り広げ、青空と松林の緑を背に盛大な拍手を浴びた。
保存会長も務める平地域公民館の金野一郎館長(66)は「無事にできて安心した。出演に向けて準備を重ねたことで地域の絆も強まった」と語り、笑顔を見せた。
会場では▽大船渡周辺のグルメ販売コーナー▽ワカメ販売▽海鮮炭火焼き販売▽こども向けイベント▽露店コーナー──なども並んだ。焼きたてのホタテやさんまのすり身汁などが販売され、昨年以上に充実した食関連の出店が好評を博した。
今年も大船渡湾産のカキを蒸し上げて販売した「漁師のかき小屋」の船本敬史さん(64)=大船渡町=は「海水温上昇など環境変化で生産に難しさはあるが、地元の水産物を多くの観光客に食べてほしい」と期待を込めた。
会場には新たな企画として県観光PRコーナーが設けられ、ポケモン社による事業の一環で「いわて応援ポケモン・イシツブテ」が来場。子ども向けの体験イベントにもにぎわいが生まれた。
4日は午前10時に始まり、立命館大の学生団体や大船渡東高校太鼓部、STUDIO LINK、LAWBLOWが登場。午後3時までの開催で、開幕時と最終ステージ時には餅まきが行われる。
初日と同様、食関連の販売コーナーに加え▽碁石海岸周辺を回る賞品付きスタンプラリー▽椿の里・大船渡ガイドの会による観光案内▽碁石海岸穴通船運航▽釜石海上保安部と連携した碁石埼灯台イベント──なども計画。世界の椿館・碁石では、ふれあいミニ移動動物園が設けられる。同館と市立博物館は無料開放される。
駐車場は碁石海岸インフォメーションセンター前、碁石海岸キャンプ場前、浜の停車場前、海さんぽ前、赤土倉駐車場を予定。赤土倉駐車場からは無料シャトルバスを運行する。