〝里山の恵み〟収穫楽しむ 守る会が観光ワラビ園開放(別写真あり)

▲ 来場者が丘陵地一面に広がるワラビの収穫を楽しんだ

 住田町のすみた里山を守る会(紺野昭二会長)は9日、下有住字奥新切の蕨峠町有地で観光ワラビ園の開放を始めた。里山の丘陵地約2㌶には、3月に実施した山焼きで成長が促されたワラビが一面に広がり、町内外からの来場者がたくましく育った〝里山の恵み〟の収穫を楽しんだ。(清水辰彦)

 

 守る会は、里山地域の有効活用と環境整備を図ろうと、伝統的な山焼き手法の取得と継承を目指す団体で平成20年に結成。観光ワラビ園の開設は22年から実施している。今年も3月下旬に山焼きを行い、安全に歩ける丘陵地に草花や山菜が芽吹く環境を整えた。
 開放初日、蕨峠周辺は肌寒い気候となったものの、ワラビを求める人たちが町内外から足を運んだ。丘陵地に入った来場者は「ポキッ」という心地よい音とともにワラビを収穫し、袋いっぱいに詰め込んでいた。
 宮古市の70代男性は「毎年来ています。収穫したものはお裾分けしたり、保存して1年間通して食べたりしている」と、友人と訪れた大船渡市の60代女性は「毎年楽しみにしている」と話し、それぞれ収穫を楽しんでいた。
 守る会によると、今年の生育は上出来だが、「温暖化の影響もあってか予想より伸びるのが早く、育ちすぎてしまっているのもある」という。
 ワラビ園は、国道340号から入る県道遠野住田線を遠野市方向に約9㌔進んだ先に広がる。今後の開放日は11(土)、12(日)、14(火)、16(木)、18日(土)。受け付けは午前8時30分から、体験時間は同9時から正午まで。
 参加料は1000円で、2㌔まで取り放題。超えた分は1㌔ごとに300円徴収する。
 事前予約不要。問い合わせは同会事務局(町農政商工課農政係、℡46・3861内線232)へ。