川崎で陸前高田の魅力発信 本年度も友好の物産展開催 フロンター レ本拠地で
令和6年5月12日付 8面

サッカーJ1川崎フロンターレの本拠地・等々力陸上競技場(神奈川県川崎市)で、陸前高田市の特産品を販売するホームゲームイベント「陸前高田ランド」が本年度も開かれている。基本的に年2回開催されており、ゴールデンウイーク中にあった同ランド春は恒例の餅まきが繰り広げられたほか、陸前高田が誇る海や山の幸が振る舞われ、盛況となった。(高橋 信)
東日本大震災をきっかけに交流が生まれ、友好協定を結ぶ陸前高田市とフロンターレ。陸前高田ランドは両者の友好関係をPRし、互いのファンを増やそうと、平成27年から行われている。
本年度1回目は今月3日の浦和レッズ戦に合わせて行われ、イベント会場には陸前高田市内の事業者・団体が10以上の販売ブースを開設。シイタケのバター焼きやカキフライ、地域ブランド米「たかたのゆめ」を使った豚角煮丼、神田葡萄園のワイン、酔仙酒造の日本酒など、自慢の品をサポーターにPRした。
出店常連の米崎町のひころいちファーム(村上一憲代表)は今回、看板商品の米粉スナック「ポリフリー」などを販売した。
村上代表(45)は「出店の準備や運営を支えてくれる現地のボランティアがおり、こうしたつながりが今も続いていることは陸前高田にとって非常にありがたいこと。フロンターレとの友好関係が末永く続いてほしい」と話した。
ひときわ盛り上がりをみせたのは、イベントの名物として浸透している餅まき。会場に駆けつけた佐々木拓市長も餅を投げ、震災から10年以上たっても陸前高田に思いを寄せるサポーターに感謝の気持ちを伝えた。
今回はフロンターレの「カブレラ」、陸前高田市の「たかたのゆめちゃん」の両マスコットキャラの間に生まれた「メーカブー」の1歳の誕生日を祝うイベントも併催。お笑いコンビ「テツandトモ」が特別参加し、各種記念イベントが行われた。
フロンターレは震災直後、同市の子どもたちにクラブオリジナルの算数ドリルを贈ったのをきっかけに、市民らとの交流を開始。選手によるサッカー教室、フロンターレの試合が観戦できる「かわさき修学旅行」などが行われてきた。
市とクラブは平成27年、友好協定「高田フロンターレスマイルシップ」を締結。「支援から交流へ」を合言葉に、さまざまな活動が展開されている。