好天続き人 出後押し 気仙のGW 定番・待望の催事に沸く
令和6年5月12日付 1面

県内外からの観光客らを迎える定番イベントや式年大祭、新たな施設を生かした行事が相次いだ今年の気仙のゴールデンウイーク(GW)。好天が続いた中、昨年以上に多くの人出があり、活気が広がった。コロナ禍を抜けた一方、物価高騰などの影響がのしかかる中、関係者はさらなる回復や新たなにぎわいに期待を込める。
各地の「まつり」いずれも盛況に/大船渡
大船渡市では5月3、4の両日、昨年に続き碁石海岸観光まつりが開かれた。実行委の集計によると、3日は9000人、4日は1万2000人の計2万1000人が来場。昨年よりも約4000人増えた。
4月28日は赤崎町で尾崎神社式年大祭、5月3日は立根町で五葉神社式年大祭が催行された。いずれもコロナ禍を乗り越え、8年ぶりの通常開催。神輿行列に加え、地域が結束して準備を重ねた余興奉納が繰り広げられた。
尾崎神社式年大祭では1000人超の地域住民が参加し、余興奉納が行われた赤崎グラウンド駐車場には、さらに多くの見物客が取り囲んだ。五葉神社の大祭では、観衆も含め約1500人の住民らが集まった。
碁石海岸キャンプ場は期間中150件、延べ561人の利用があった。現在の機能が整備された平成26年度以降、GW中としては件数、人数とも最多となった。運営を担うインフォメーションセンターでは「普段は県内や宮城県在住者が多いが、関東圏や愛知県からの利用者も見られた。すでに夏に向けた予約も増えている」と振り返る。
バンガローやコテージ、バーベキュー炉などがある赤崎町のレクリエーション観光施設・フレアイランド尾崎岬も、キャンプ利用が好調。地元内外から幅広い層の利用があり、昨年を上回る活況となった。
地元念願のNHKのど自慢開催/陸前高田
念願の開催となったNHKのど自慢(5日)
陸前高田市では5日、高田町の奇跡の一本松ホールで「NHKのど自慢」公開生放送(NHK盛岡放送局、市主催)が行われ、予選会を勝ち抜いた20組が出場した。同ホールでは開館記念として令和2年に2度企画されたものの、新型コロナウイルス禍でそれぞれ見送られ、地元住民や主催関係者らにとって念願の開催となった。
約500人の観客が集まった中、出場者が元気な歌声を披露し、東日本大震災からの復興へ力強く歩んできたまちの活気を全国に発信。前日に行われた予選会には200組程度が挑み、ホール周辺は両日にぎわいに包まれた。
4月28日の三陸花火大会は、有料観覧席を設けた高田松原運動公園の来場者数約1万1000人(実行委まとめ)。まちなかでは関連イベントが催され、同公園を含む市街地一帯の来場者数は約1万6000人(市調べ)だった。
市によると、4月27日~5月6日における道の駅高田松原の入り込み数は、5万1100人。1日平均は5110人で、前年比434人減。5日には小友町の気仙大工左官伝承館を主会場に恒例の「箱根こどもまつり」が開かれ、来場者数は1139人(前年比142人減)だった。
4月27日~5月6日のアバッセたかた専門店街の客数(一部店舗除く速報値)は1万537人で、前年同期比14%増。売上高はほぼ横ばいだった。
滝観洞、震災後最多の入り込み/住田
多くの来場者でにぎわった滝観洞観光センター(3日)
住田町では、4月27日にリニューアルオープンした上有住の滝観洞観光センターで5月3~5日の3日間、大型連休恒例のイベント「滝に鯉(恋)まつり」が開かれ、県内外からの多くの来場者でにぎわった。
新施設では、工事に伴い営業を休止していた滝観洞名物「滝流しそば」が2年ぶりに復活。そばの大食い大会のほか、五葉山火縄銃鉄砲隊による演武など、さまざまな催しで来場者を歓迎した。
同センターを指定管理する住田観光開発㈱によると、イベント期間中の来場者は3日間合わせて1788人。最多は5日の700人で、1日当たりの来場者としては東日本大震災後で最多という。4月27日~5月6日の累計は2863人で、前年同期を1722人上回った。
また、同社が運営する世田米の道の駅・種山ヶ原ぽらんでは、3~5日に屋台広場を開設して旬の山菜、野菜に加えて軽食も販売した。4月27日~5月6日の10日間で6561人(前年同期比366人増)が来訪。入り込み客数は新型コロナウイルス禍前に戻ってきているといい、内陸部と沿岸部を行き交う多くのドライバーが立ち寄った。
世田米では4月29日、まち家世田米駅でオープン8周年を記念した「まちや蚤の市」が開かれた。好天の下、杉屋台が並ぶ会場に町内外から200人以上が足を運び、食べ比べやライブなどを楽しんだ。