パロス市をつなぐ「通り名」を 平成4年に姉妹都市締結 黄金の海Pが実現目指し活動
令和6年5月15日付 7面
大船渡市内の有志らを中心とした団体「黄金の海・ケセンプロジェクト」(新沼英明会長)は、同市が平成4年に姉妹都市締結を結んだスペインのパロス・デ・ラ・フロンテラ市(パロス市)との友好関係を示す「通り名」の実現に向けた活動を重ねている。パロス市内には実際に「大船渡通り」がある中、大船渡でも友好関係を示すとともに、産金文化や歴史の発信といった波及効果も見据える。(佐藤 壮)

パロス市内にある大船渡にちなんだモニュメント=黄金の海・ケセンプロジェクト提供
プロジェクト内で組織している「大船渡・パロス姉妹都市推進広報活動チーム」のメンバーら6人は11日、大船渡町内を巡り、通り名の実現に向けてアイデアを膨らませた。
キャッセンエリア内の各道路を回るとともに、夢海公園からみなと公園に行き、市が整備した追悼施設がある展望広場から、大船渡湾内や市街地を見渡した。さらにサン・アンドレス公園付近を経由し、県道沿いを歩いて再びキャッセン大船渡を目指した。
東日本大震災後の復旧・復興事業で整備された公園や橋にはそれぞれ名称がある一方、店舗や住宅が建ち並ぶ道路には通称名がほとんどない気づきも得た。メンバーからは「訪れた観光客にも、通り名があった方が歩きやすいのでは」といった声が聞かれた。
プロジェクト内で具現化を進めるだけでなく、違和感のない名称であることや、地域や行政の理解など、実現には今後もさまざまな調整が予想される。それでも、メンバーは「パロス市に応えたい」という思いを胸に活動を続ける。
昨年、スペインを拠点とするフラメンコダンサーで、さんりく・大船渡ふるさと大使を務める中田佳代子さん=大船渡生まれ=が大船渡市役所を訪問し、パロス市長から預かったパンフレットなどを渕上清市長に手渡した。中田さんは心温まる歓迎を受け、現地に「大船渡通り」もあることなどを紹介し、交流再興に期待を込めた。
姉妹都市を結んだ平成4年は「黄金の国」を探したコロンブスの旗艦である「サンタ・マリア号」の復元帆船入港と、産金地としての気仙の歴史も踏まえた記念行事が相次いだ。30年以上前に結んだ友好関係を後世に伝えるだけでなく、産金の歴史・文化を生かしたまちづくりも見据える。
同プロジェクトは、17日(金)に設立総会を予定している「大船渡市を『日本遺産の市』にする市民運動実行委員会」にも参画。文化庁の日本遺産・みちのくGOLD浪漫に、同市の追加登録を実現させ、活性化につなげようと活動意欲を高めている。
新沼会長は「歩いたことで復興事業によって生まれた現状の街並みを再確認する機会になった。イベントなどでも通り名や名付けた空間が生かされるようになれば。産金にちなんだ国際交流や地域活性化にも結びついてほしい」と今後を見据える。






