女子個人準Vで全国切符 県高校将棋大会 日将連大船渡支部の中谷さん(不来方高1年)
令和6年5月15日付 6面

日本将棋連盟大船渡支部(平山敏夫支部長)に所属する大船渡市立第一中出身の中谷天音さん(不来方高校1年)が、盛岡市でこのほど開かれた第46回県高校将棋大会(県高文連など主催)の女子個人戦A級で準優勝し、8月に岐阜県で開かれる全国高校総合文化祭将棋部門に出場する。初段の実力を持ち、大船渡市で開かれている将棋教室で腕を磨く中谷さんは「二段を目指してさらに力をつけたい」と高みを目指す。
花巻市出身の中谷さんは小学3年生の頃、通っていた学童クラブの先生に教えられて将棋を始めた。小学6年生で大船渡市に移り住み、平山支部長(78)が代表を務める日将連公認気仙将棋企画の教室に通って棋力を高め、昨年7月の県アマチュア女流名人戦で優勝を飾るなど頭角を現した。
将棋以外にも美術が得意で、中学卒業後は不来方高の美術・工芸コースに入学。同校には将棋部がないため、大船渡を離れた現在も同教室に週1回通い、平山支部長の指導を受けるほか、アプリなどを活用して独学で勉強を重ねている。
今大会の女子個人戦A級には8人が出場し、トーナメント戦を展開。決勝では、同教室に通っていた畠山史子さん(一関一高2年)に敗れたが、敗者復活戦を勝ち上がった相手との対局を制し、上位2人に与えられる全国切符を勝ち取った。「もう少し早く勝負を決められた反省もあったが、やる前は上位に入れるか分からなかったので、準優勝は純粋にうれしい」と喜ぶ。
飛車を中央に振る攻撃的な戦法「中飛車」が得意で「この一手がいいか悪いかを分かりやすく教えてもらえる」と教室での指導に感謝し「二段への昇段を目指す」とさらなるレベルアップに意欲を燃やす。平山支部長も「攻めと守りのバランスが良くなってきた。このまま伸びていくように後押ししたい」と今後の成長に期待を寄せる。
「将棋は実力が物を言う世界で、練習を頑張った分だけ結果に表れる。幅広い年代の人と交流できるのも楽しい」と魅力を語る中谷さん。今大会優勝者の畠山さんとは、小学生の頃からの顔なじみで「安心して全国大会に行ける。勝敗は気にせず、楽しんでいい将棋をしたい」と意気込む。