「日本遺産の市」へ一丸 市民運動実行委員会が設立総会 みちのくGOLD浪漫の追加認定目指す
令和6年5月18日付 2面

大船渡市を「日本遺産の市」にする市民運動実行委員会設立総会は17日、盛町のリアスホールで行われた。陸前高田市などで構成する文化庁の「日本遺産・みちのくGOLD浪漫」に、大船渡市の追加登録を実現させようと、幅広い観点から事業を展開する方針。追加登録申請は各自治体が担うことから、市の行動を後押しする。
総会には、会員となる市内各種団体の関係者ら約50人が出席。発起人会の会長を務める気仙歴史文化研究会の甘竹勝郎会長のあいさつや設立までの経過説明に続き、議事では会則、役員選任、事業計画を審議。いずれも原案通り承認した。
構成会員は市内32団体で、オブザーバーとして市や市議会、県沿岸広域振興局なども加わる。会則には「市内に存在する産金関連資源等の歴史的な魅力を、日本遺産・みちのくGOLD浪漫への追加認定に向けて、国内はもちろん、海外にも戦略的に発信し、観光の促進をはじめ市の活性化を図る」を掲げる。
事業では、産金に関する歴史調査・研究に加え、交流人口を増やす体験学習型観光事業の推進を見据える。今出山金山や坂本沢金山、復元船「サンタマリア号」の来航実績等をはじめとする産金遺跡整備への要望・提言も重視。本年度計画には認定に向けた諸活動に加え▽現地や先進地の視察▽積極的な広報活動の展開──を盛り込んだ。
設立宣言では、会長に選出された甘竹氏が「皆さんの熱意があれば、必ずや指定されると信じている」と力を込めた。登録に向けた市民運動組織の発足は珍しく、参加者は機運を盛り上げながら市に申請を働きかけていく取り組みの充実を誓い合った。
引き続き、第2部ではみちのくGOLD浪漫推進協議会事務局の樋下稔生氏=宮城県涌谷町=が、同協議会の役割・活動を紹介。甘竹会長による「気仙の金山」に関する講演も行われた。
日本遺産は、地域活性化を図る観点から認定。「みちのくGOLD浪漫」は、東北における1200年余に及ぶ産金の歴史や文化財、金と人の結びつきなどに関わるストーリーとして、令和元年に日本遺産となった。陸前高田市と平泉町、気仙沼市、南三陸町、石巻市、涌谷町の6市町で構成し、地域に点在する遺産を面として活用・発信する取り組みが続く。
役員次の通り。任期は2年間。
▽会長=甘竹勝郎(気仙歴史文化研究会長)▽副会長=米谷春夫(大船渡商工会議所会頭)齊藤俊明(大船渡市観光物産協会長)野村節三(産金遺跡研究会長)
▽幹事長=新沼英明(黄金の海・気仙プロジェクト会長)▽副幹事長=樋下稔生(日本遺産「みちのくGOLD浪漫」推進協議会事務局)熊谷孝嘉(黄金の海・気仙プロジェクト副会長)伊藤林人(大船渡観光バス事業協同組合代表理事)
▽監事=猪股岩夫(大船渡市農協代表理事組合長)▽亘理榮好(大船渡市漁協代表理事組合長)
▽事務局長=村上守弘(黄金の海・気仙プロジェクト前会長)▽事務局次長=中村隆男(気仙歴史文化研究会副事務局長)新沼紀三(産金遺跡研究会副会長)