「バイクの駅」広がる活気 キャッセン大船渡エリア内に開設 〝目的地〟として波及効果も

▲ 今年の大型連休中も活気にあふれた「バイクの駅」

 大船渡市大船渡町でのキャッセンエリアマネジメントの一環で、街区内に昨年整備された「バイクの駅」は、今年もツーリング客らの目的地としての役割を果たしている。立ち寄るだけでなく、キャッセン内での飲食や沿岸各地に足を運ぶきっかけをつくる効果も。三陸沿岸道をはじめ高速道路網が整備され、沿岸各市町では〝素通り〟の懸念が広がる中、ターゲットを明確にしたまちづくりの重要性も浮かび上がる。(佐藤 壮)


まちづくりに手応え


 軽自動車専門店などを展開する㈲セットアップ(佐藤恵司代表取締役)が昨年夏、かもめテラス向かいに新店舗を構えたのに合わせ、隣接地に設けた。アメリカの雰囲気を意識し、黄色いスクールバスが目印。広さは約300平方㍍で、ドライガーデンなどが植栽され、米国旗がはためく中でオートバイ約20台が駐車できる。
 『バイクの日』である昨年8月19日にオープンし、11月まで開放。約1400台が利用した。岩手、宮城両県からの日帰りツーリングが多いほか、日本一周中に立ち寄る姿も目立つ。
 佐藤代表(49)が昨年秋、オートバイで米国を横断した際に購入した看板、雑貨も並ぶ。目的地の一つとして広く知られ、かもめテラスでの飲食など、周辺施設にも消費・滞在の流れが生まれている。
 今年は4月からオープンし、5月の大型連休には活気にあふれた。その後も週末を中心に1日数十台が利用。好天に恵まれた19日も、多くのツーリング客が訪れ、出迎えた佐藤代表らと談笑を交わした。
 奥州市から訪れた横尾純也さん(46)は「きょうで3回目。内陸育ちなので、バイクを出したら海を目指したくなる。立ち寄りたくなるし、ひと息つきながら、気軽に楽しめる」と話していた。
 県内でも例がない取り組みで、大船渡の特色づくりにも貢献。佐藤代表は「バイクに乗ると、いつも通る道でも違った景色になる」と語る。単に往復するだけでなく、周回や〝寄り道〟を楽しむ行動も多く、一つの拠点が生まれることでの波及効果に手応えを寄せる。
 佐藤代表は「海、山と多彩な景色を楽しめる大船渡を楽しんでほしいし、個性あるまちづくりにつながれば。まちなかにもっと、バイクの愛好者を増やしたい」とも話し、期待を込める。
 今年も11月まで毎週火、水曜日を除く午前10時~午後5時にオープン。基本的にはツーリング客が自由に過ごすことができ、瓶入りのコーラやオリジナルステッカーも販売している。