件数は前年度上回る 5年度のふるさと納税 金額は横ばい 

 住田町は、令和5年度のふるさと納税による寄付状況=別表=をまとめた。件数は1415件(前年度比343件増)で、金額は2248万円(同8万円減)。金額は前年度から横ばいだったが、寄付件数は新型コロナウイルス禍以前と比べると増加傾向にある。町では本年度、目標寄付額を5000万円に設定し、ふるさと納税を通じた同町の魅力PRにさらに力を入れる考えだ。
 ふるさと納税は、出身地など特定の自治体に寄付する制度。同町は平成20年に「住田町森林・林業日本一の町づくり寄付条例」を制定し、森林・林業を通じたまちづくりなどに活用してきた。
 27年度には寄付金の使途を幅広いまちづくり事業に拡大。▽森林・林業日本一の町づくり▽子育て・福祉・医療の充実▽教育・文化・スポーツの振興▽住民活動団体の支援▽そのほかのまちづくり──の五つから支援分野を選べるようにした。令和2年度からは総合計画に掲げる取り組みも加え、支援分野を細分化した。
 返礼品では、町の花・アツモリソウ苗や滝観洞の入洞券、地元食材を生かしたセット、木工製品などを取りそろえて住田らしさをPR。4年度には町内農家が生産した梅酒、同町のSUMITAチェーンソーアート杣遊会が制作した作品などを返礼品に加えて種類も増やし、まちのPRを図っている。
 令和5年度の使途指定をみると、「住民活動団体の支援」が816万円で寄付金額の3割余を占めた。このほか、「町長が町の優先課題を踏まえ決定する事業」に692万円、「少子化対策事業」に173万円、「県立住田高校魅力向上事業」に94万円など、幅広い分野に多くの寄付があった。
 住田町へのふるさと納税は、令和元年度が件数485件だったが、コロナ禍の巣ごもり需要もあって大幅に増加して2年度以降は1000件台で推移してきた。5年度からは、町職員が名刺の裏に納税サイトのQRコードを掲載して使用する取り組みを開始しており、その効果もあってか前年を上回る件数の寄付が寄せられた。
 一方で金額は横ばい傾向が続いているが、本年度は住田のPR、返礼品充実に力を入れ、寄付額5000万円を目指す。
 町企画財政課では「引き続き、新たな返礼品の開発、発掘に取り組み、特産品を通じて住田をPRしていきたい」と、ふるさと納税制度を通じたまちの発信に意欲を示す。