花々彩る庭 気軽に見に来て 震災後初 あすから公開 気仙町の佐々木さん宅 見学無料 6月9日まで土・日曜日のみ

▲ きれいに咲く玄関先のバラ

 陸前高田市気仙町の佐々木勝彦さん(79)は26日(日)から、丹精込めて育てた花であふれる自宅の庭を公開する「オープンガーデン」を開く。60代のころ、一般向けに開放したが、東日本大震災後は今回初めて。香り豊かなバラや寒色系の花々が自然と共存するように至る所に咲いている。公開は6月9日(日)までの土・日曜日のみで、無料で見学できる。(高橋 信)

 

 眼下に長部漁港を望む高台にある佐々木さん宅。玄関で出迎えるのは淡いピンクのバラ。ちょうど見頃を迎え、華やかな雰囲気を演出している。

 公開するエリアは約500平方㍍。自宅を取り囲むように、約50種類のバラや「デルフィニウム」をはじめ、佐々木さんが好んで植えている青や紫色の花々が咲いている。

椅子やテーブルが置かれ、ゆったりと花を眺められる庭

 地面に敷かれたタイルをたどるように奥へ進むとテーブルや椅子が置かれた開けた休憩エリアもある。種から育てている花も多く、「同じ品種でも全く同じ色の花はない。表情が違う」と佐々木さんが〝世界に一つだけの花〟を眺め、目を細める。
 30代の頃から庭に山野草を植えるようになり、家族で多様な花木をめでてきた。退職後は本腰を入れて管理し、「いろいろな方に見てもらおう」と期間限定で庭を開放するようになった。
 そうした中、震災が発生し、まちが津波で甚大な被害を受けた状況を踏まえ、オープンガーデンを見送ってきた。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行して1年が経過したことなどから、久しぶりに公開することを決めた。

青色の花々が数多く植えられている

 佐々木さんは「花はやはり心が落ち着く。管理が行き届いていないところが多く、つたない庭ではあるが、自然と共存して咲く花木を眺めてもらえれば。少しでも癒やしになればいい」と願いを込める。
 開放日は26日、6月1日(土)、2日(日)、8日(土)、9日の計5日。見学できる時間は午前9時~正午、午後1時~3時。
 事前の申し込みは不要。駐車場がないため、長部漁港に車を止めて徒歩での来園を呼びかける。
 住所は気仙町二日市55。問い合わせは、佐々木さん(℡090・3980・8463)へ。