地域に愛される店に 大判焼き「青空」 世田米で今年開店 「ぎんつば屋」の道具引き継ぎ

▲ 人気を集める大村さんの大判焼き

 もちもちの生地に、甘さ控えめで飽きのこないあんこ──。今年、住田町世田米世田米駅地内にオープンした大判焼き「青空」(大村恵世店主)が、地元の人々を中心に人気を集めてきている。かつて住田名物「ぎんつば」を製造し、親しまれていた「ぎんつば屋」のように、住民が集い、笑顔が広がる場を目指して営業している。(清水辰彦)

 

 平成25年から世田米で暮らす大村さん(45)。前職は大船渡市内で子育て支援関係に就いていたが、「住田町で何かできることはないか」との思いがあったという。そうした中、平成27年まで40年近く住田名物「ぎんつば」を製造していた商店の道具を、閉店時に買い取っていた地元の知人から借りることができたことをきっかけに、大判焼き屋を開くことを決めた。
 オープンに向け、昨年の夏ごろから、「ぎんつば」の味を知る住民にも食べてもらいながら改良を重ね、町内のイベントで出店するなどして準備を進めてきた。
 ただ、当時の「ぎんつば」はレシピがないために味の完全再現は難しい。大村さんは「『ぎんつば』にリスペクトを込めつつ、みんながおいしいと言ってくれるオリジナルの大判焼きを作っていきたい」と語る。
 店先では、焼き上がりを待つ間に住民同士が交流する光景も広がる。オープンから約3カ月が経過したが、大村さんは「いろんな人が来てくれるからおもしろい。やってみてよかった」と笑顔を見せる。
 現在は「あんこ」(150円)と「あんこチーズ」(190円)の2種類を提供。店先では、「子どもたちにも楽しんでほしい」と文房具やおもちゃも販売している。
 営業日は火・木・金・土曜日で、時間は午前10時30分から午後5時ごろまで。電話(080・5848・2039)やLINEでも予約に応じる。