■春の高校野球県大会/大船渡 決勝進出ならず 盛岡大附に1―2 3位決定戦で水沢商業と対戦(別写真あり)

▲ 【大船渡―盛岡大附】サヨナラ負けを喫し、ベンチ前で険しい表情を見せる大船渡の選手ら

 第71回春季東北地区高校野球県大会は25日、宮古市の宮古運動公園野球場で準決勝2試合が行われた。気仙勢は、4強入りを果たした大船渡が強豪・盛岡大附と対戦し、大接戦を演じたがサヨナラ負けを喫し、決勝進出を逃した。
 並みいる強豪を退け、春季県大会では14年ぶりの4強入りと勢いに乗る大船渡。同日は、同球場第1試合で、決勝進出と東北切符を懸け、県内屈指の強豪・盛岡大附と激突した。
 大船渡の先発は、今大会1回戦から全試合に登板し、好投を続けている熊谷航。
 二回、熊谷航は盛岡大附打線に3本の安打を集められ、県大会を通じて初の先制点を許した。三、四回には、三塁まで走者を進められるなどピンチを背負ったが、落ち着いた投球で後続を打ち取り、追加点を与えなかった。
 大船渡の反撃は五回。先頭の6番・加藤の左前打と7番・山田の犠打で1死二塁とすると、8番・新沼の中前適時打で同点に追いついた。暴投で二塁に進んだ新沼は、1番・室の左前打で一気に本塁を狙ったが、相手外野手の好返球に阻まれ、勝ち越しはならなかった。
 その後は、両チーム譲らずゼロ行進。五回から登板した大船渡の2番手・豊間根は、毎回走者を背負うものの、右横手の変則的な投球フォームから制球良くコースに投げ込み、三塁を踏ませない投球で打線の援護を待った。
 しかし、大船渡は六回以降、盛岡大附の力のある投手陣にわずか1安打に抑えられ、好機をつくることができなかった。
 同点で迎えた最終回、大船渡は2番・大森が死球で出塁するも、犠打や盗塁のミスが重なり無得点。ここまで粘りの投球を続けていた豊間根だったが、安打と犠打、申告敬遠で1死一、二塁となった場面でサヨナラの適時打を許し、力尽きた。
 大船渡の新沼悠太監督は、強豪打線にひるむことなく立ち向かった熊谷航、豊間根両投手を評価しながら「ロースコアで試合を進められればと考えていたが、私立校相手にミスが出ると、やはり苦しい展開になる。地元、沿岸での開催で決勝に行けない悔しさはあるが、持ち味を生かして強豪に立ち向かっていけた」と話した。
 室竣也主将(3年)は「相手の良い投手陣に対し、丁寧に振っていく意識で臨んだが、攻守のミスが響いた。きょうの反省を次の試合に生かし、気持ちを入れて頑張りたい」と前を向いた。
 大船渡は、26日の同球場第1試合(午前10時)の3位決定戦で水沢商業と対戦する。(菅野弘大)
 ▽準決勝
大船渡
000010000|1
010000001x|2
盛岡大附
 (大)熊谷航、豊間根―加藤
 (盛)若林、坂本遥―坂田
 ⚾二塁打=櫻庭(盛)