■春の高校野球県大会/大船渡 3位決定戦制す 水沢商業に5―2 快進撃で夏に弾み(別写真あり)

▲ 【大船渡―水沢商業】七回、内野ゴロで三走・新沼英㊧が本塁に生還。大船渡が均衡を破る

 第71回春季東北地区高校野球県大会は26日、宮古市の宮古運動公園野球場で決勝と3位決定戦の2試合が行われた。気仙勢は、大船渡が3位決定戦で水沢商業と対戦し、5―2で勝利。準決勝で敗れ、東北大会出場は逃したものの、選手らが試合を重ねるごとに成長を示す快進撃で3位入賞を果たし、夏の第3シード権を獲得した。
 春季県大会最終日となった同日は、日曜日とあって多くの観戦客が詰めかけた。大船渡は、同球場第1試合で水沢商業と3位を懸けて激突した。
 大船渡は、県大会初先発となる背番号1・長根にマウンドを託した。
 その長根は二回、先頭打者の二塁打と犠打で1死三塁のピンチを背負うが、後続を断ってしのいだ。三回以降も、走者を出しながら粘り強く投げ込み、得点を許さなかった。
 五回に連打を浴び、1死一、二塁となった場面で、2番手・鈴木にスイッチ。安打で満塁となるも、次打者の内野ゴロで併殺に仕留め、流れを渡さなかった。
 水沢商業の先発・千葉孔に五回まで無安打に抑えられた大船渡は六回、代打・熊谷太がチーム初安打を放つと、1番・室も右前打で続き1死一、二塁と好機をつくった。二走に俊足の小松を起用し先制を狙ったが、後続が倒れた。
 均衡が破れたのは七回。
 大船渡は、1死から5番・新沼英が遊撃への内野安打で出塁し、6番・加藤が四球を選んで好機を広げた。相手投手の暴投で二、三塁とすると、7番・山田の内野ゴロで三走・新沼英が好スタートを切り、本塁上で相手捕手のタッチをかわして生還。待望の先制点を奪った。
 なおも一、三塁で、途中出場の8番・山崎がスクイズを成功させ追加点。この間に三塁を狙った一走・山田は、相手守備の乱れを突いて一気に本塁を陥れ、3点目を奪った。
 その裏に1点を返された大船渡は最終回にも、加藤、山田の連続安打と犠打で2死二、三塁とし、室の左方向への2点適時二塁打で突き放した。
 最後まで粘る水沢商業の攻撃で2点目を失ったが、最後は5番手で登板した豊間根が追加点を許さず、勝利をつかんだ。バントや走塁の小技を絡めながら着実に得点を重ね、守備では5投手の継投で守り切り、4位に終わった14年前の借りを返す県3位で、夏への弾みをつけた。
 大船渡の新沼悠太監督は「守りに入らず攻め続けることを徹底した。公式戦で力を出せる投手陣や積極的な走塁、守備など、収穫も多かった。やるべきことに取り組み、自信を持って夏に臨みたい」と話した。
 室竣也主将(3年)は「地区大会はあまり良い結果ではなかったが、修正して良いゲームを続けられた。春最後の試合、沿岸というホームで地域の人たちに大船渡の勝ちを見せられて良かった。この経験を生かし、夏は県の頂点と甲子園出場を目指す」と意気込んだ。
 同球場第2試合の決勝戦では、花巻東が盛岡大附を3―0で下し、春6連覇を達成。花巻東のメンバーに選ばれている気仙出身選手も躍動し、優勝に貢献した。
 ▽3位決定戦
大船渡
000000302|5
000000101|2
水沢商業
 (大)長根、鈴木、新沼恵、大森、豊間根―加藤
 (水)千葉孔、千田―遠藤