今年も県道で道中踊り 三陸・大船渡夏まつり実行委が総会 8月2、3日開催 花火大会は迫力重視

 三陸・大船渡夏まつり実行委員会は7日、令和6年度総会を盛町の大船渡商工会議所で開き、本年度のまつり事業計画などを決定した。日程は8月2(金)、3(土)の2日間。3日の市民道中踊りは、昨年に続き、県道丸森権現堂線で繰り広げる。花火大会は、水中花火をより間近で楽しめるよう迫力を重視するほか、例年通り海上七夕の湾内巡航も実施し、夏の大船渡に活気を呼び込む。役員改選では、齊藤俊明委員長が勇退し、後任に米谷春夫商議所会頭が選ばれた。(佐藤 壮)

 

県道で計画されている市民道中踊り(昨年の様子)

 実行委員会は市内の行政、事業所、警察、消防、各種団体の関係者らで構成。約50人が出席した。
 あいさつで齊藤委員長は、東日本大震災後も地域に希望や活気をもたらしてきた夏まつりの意義に言及しながら、32年間にわたり務めてきた委員長を退任する意向を表明。「人口減の中での夏まつりが続くが、頑張って盛り上げてほしい」と期待を込めた。
 議事では5年度の事業報告と収支決算を審議し、いずれも承認。引き続き、6年度の事業計画案と収支予算案を協議し、原案通り決めた。
 決算によると企業協賛は389事業所から計1047万円。市民花火協賛金は777人から計110万円集まった。いずれも前年を上回った。
 本年度も昨年に続き、通常のイベント運営を目指す。市民道中踊りは今年も、県道丸森権現堂線のうちキャッセン大船渡前交差点~気仙丸陸上展示場付近交差点の約300㍍で行う。
 曲目は、昨年と同様に『気仙甚句囃子』と『おおふなと椿音頭』。熱中症対策として、水分補給の小休憩を設ける。
 昨年は23団体から計830人が参加。今年はすでに参加に関する問い合わせが寄せられているといい、昨年以上の参加規模を見据える。
 花火大会は3日に行われ、大船渡湾内の沖台船2隻から打ち上げる。市民協賛花火は昨年の「ナイアガラの滝」から変更し、「フィナーレスターマイン」とする。これにより、水中花火の打ち上げ場所を茶屋前岸壁側に接近させることで、迫力ある花火演出を計画している。
 同岸壁北側には「ファミリースペース」(仮称)を確保。県大船渡土木センターと連携した公共空間利活用事業の一環で、テーブルやいすを置くほか、座って鑑賞できるよう敷物も施し、無料開放する。
 有料駐車場に関しては、昨年の須崎川河口部に加え、今年は阿部長商店周辺野積み場や旧橋爪商事跡地など約400台分を増設。セブン―イレブン大船渡野々田店隣に有料観覧席を設置する。夢海公園内には、バーベキューを楽しみながら観覧できる有料エリアも用意する。
 大会協賛金、市民花火協賛金収入は昨年並みの予算額。有料部分を増やすことで警備を充実させ、安全に楽しむ環境づくりを進める。
 初日の2日は茶屋前岸壁を発着点とし、海上七夕巡航パレードを計画。同岸壁や蛸ノ浦漁港、細浦新港を回り、ステージイベントも展開する。イルミネーションの装飾が施された「大船渡丸」などが湾内を彩る。
 2日目は茶屋前岸壁大船渡丸特設ステージでの開催式、ステージイベントを予定。幻想的に炎が浮かび上がる「かがり火」に加え、大船渡・海を愛する会によるイルミネーションは、茶屋前岸壁内対岸で行う。今年も花火大会に合わせて「大船渡・海を愛する会」の海上七夕や、湾内巡航パレードの競演でも魅せる。
 任期満了に伴う役員改選に伴い、新たに選任された米谷委員長は「現在の大船渡に関しては、話題性が少ないことに危機感を抱いている。夏まつりは県内外の人々が『すごい』『見に行かないといけない』と思うようなにぎやかなものにしたい」と語り、協力を呼びかけた。

 夏まつりは「海のまち・大船渡」を代表する一大イベント。震災が発生した平成23年は中止されたが、24年に再開後は復興の歩みを発信する役割も果たしてきた。
 令和2年は新型コロナウイルスの影響でまつり自体が中止。3年は、規模を縮小しながらも海上七夕船による湾内巡航と花火大会を行った。一昨年は臨港道路で市民道中踊りが行われ、昨年は震災後初めて、県道を中心に繰り広げられた。
 スケジュール案は別掲。