猪川が7年ぶり頂点 大船渡で全日本学童軟式野球大会県予選 8月の全国大会に出場へ

▲ 地元開催で平成29年以来7年ぶりの頂点に輝いた猪川野球クラブ

優勝が決まりマウンド上で歓喜の輪を作る猪川の選手ら

 高円宮賜杯第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント県予選大会は最終日の8日、大船渡市三陸町綾里の三陸総合運動公園で、準決勝と決勝が行われた。気仙勢で唯一4強入りした大船渡市の猪川野球クラブは、1回戦からの勢いそのままに決勝戦を制し、平成29年以来7年ぶりの優勝。地元開催の大会で、全国大会への出場切符を獲得した。
 予選大会は、県内の学童32チームが出場。1、2、8の3日間、6イニング制(90分制限)のトーナメント戦で、優勝チームに与えられる本大会(8月15~21日、東京都)への出場権と、準優勝チームに与えられる東北大会(7月20、21日、青森県)の出場権を争った。
 準決勝には、1、2回戦と準々決勝を勝ち抜いた猪川と釜石、北上SAKURA、中里(一関市)の4チームが駒を進めた。
 猪川は、準決勝第1試合で釜石と対戦。序盤から攻めて得点を重ね、12―4の五回コールド勝ちで決勝に進出した。
 決勝では、好投手を擁する中里と激突。
 両チーム無得点で迎えた三回、猪川は2死から敵失で出塁した2番・佐々木が盗塁で二塁に進むと、続く3番・佐藤律の内野ゴロが敵失となる間に本塁に生還し、先制点を奪った。
 四回に三塁打と捕逸で同点に追いつかれた猪川は五回、先頭の1番・千葉が死球を受け出塁すると、バッテリーエラーの間に二塁に進塁。犠打を試みた佐々木の投手への当たりが内野安打となり、無死二、三塁と好機を広げると、佐藤律の当たりが敵失を誘い、勝ち越しに成功した。
 さらに敵失で一、二塁に走者を置き、5番・和泉が放った内野への当たりで二走・佐藤律が一気に本塁を陥れ、3―1とリードを広げた。
 守っては、先発の佐々木と2番手の和泉が、五回まで中里打線を2安打に抑え、反撃の機会をつくらせなかった。最終回は、エースナンバーを背負う千葉が危なげなく打ち取りゲームセット。平成29年の第37回大会ぶりの優勝と、全国切符を手にした。
 猪川の田村勇貴監督は「選手たちの頑張りが素晴らしかった。練習試合などを通じて、気仙のほかのチームと切磋琢磨しながらやってきたことが成長につながった」とたたえた。
 佐々木悠真主将(猪川小6年)は「『絶対に神宮球場(全国大会)で野球をするんだ』という気持ちで試合に臨み、チームの目標である優勝を達成できてうれしい。選手全員で力を合わせ、家族や応援団の声援が力になった。全国大会では1回戦を突破できるように、練習を頑張っていきたい」と話していた。
 準決勝、決勝の結果と、優勝した猪川のメンバー次の通り。
 ※猪川野球クラブ▽監督=田村勇貴▽コーチ=佐々木康紘、舟野彰仁▽マネジャー=佐々木わ佳▽スコアラー=和泉文音▽選手=佐々木悠真(主将)、千葉拓栄、田村碧唯、鈴木蒼、佐藤律貴、佐藤匡晟、和泉鷹我、村上龍、村上真翔、舟野煌成、荻野桜吏、新沼伽來、村上仁、佐々木楓斗、吉田央佑、佐藤結心、鈴木蒼大、伊藤陽大
 ▽準決勝
猪  川 12―4 釜  石
(五回コールド)
中  里 5―2 北  上
 ▽決勝
猪 川 001020|3
中 里 000100|1
 (猪)佐々木、和泉、千葉―田村
 (中)細川、岩渕、山口―岩渕、鈴木、岩渕
 ⚾三塁打=佐藤宙(中)