〝夏の使者〟カツオ来た! 市魚市場 巻き網船2隻が初水揚げ(動画、別写真あり)

▲ 今季初となったカツオの水揚げ

 大船渡市魚市場に9日、夏漁の本格化を告げるカツオが今季初めてお目見えした。県外の巻き網船2隻が入港し、中~中小サイズ(3~1・8㌔)を中心に計55㌧を水揚げ。昨年より1週間ほど早い〝夏の使者〟の到来に、場内は選別作業にあたった漁船、市場関係者らの活気にあふれた。
 同魚市場では平成12年から、気仙沼魚市場が休場の場合にカツオ船を受け入れており、特に、休日の日曜日に開場して水揚げする〝サンデーカツオ〟として定着している。例年6月から数量がまとまりだし、水揚げは8月頃まで続く。
 入港したのは、いずれも静岡県沼津市の巻き網船「第二十八浜平丸」(監物大輔船頭、369㌧)と、「第七十八大師丸」(大道恒彦船頭、339㌧)。浜平丸は大船渡から東に約130㌔の漁場、大師丸は茨城県沖でそれぞれ操業し、同日未明に大船渡に入った。
 同日は午前5時すぎから水揚げがスタート。漁船から岸壁に移されたカツオは、ベルトコンベヤー上で丸々としたしま模様の魚体を輝かせた。市場職員らが手際よく大きさを選別してタンクに入れ、フォークリフトが次々と運び出し、普段の日曜日とは打って変わって、この時期ならではの慌ただしさに包まれた。
 浜平丸の山田岳史船長(41)は「例年よりも数は取れていないが、今回はまとまった群れがあり良かった。今後の豊漁と相場が少しでも上がってくれることを願う」と期待。
 大師丸の大道船頭(62)は「キメジやダルマなどの赤物が交ざり、カツオはこれからという感じ。こうして日曜日にも開場してもらい、われわれとしては貴重でありがたい」と話していた。
 大きさは中~中小サイズが8割を占めた。全体の入札価格は1㌔1130円~206円で、平均は296円。入札が終わると、加工場に向けてトラックが出発し、午前中のうちに市内の店頭にも「大船渡産」が並んだ。
 同市場におけるカツオの水揚げは昨年、数量累計で690㌧(前年比6%増)、金額は3億214万円(同26%増)と、いずれも前年を上回った。
 選別作業にも加わった大船渡魚市場㈱の千葉隆美社長は「今年も6月にカツオを水揚げできて良かった。秋の戻りガツオまでの期間、いい漁況で例年並みに取り扱っていければ」と願いを込めた。