11地区各500万円の地域交付金実績 5年度は143事業展開 コミュニティー形成へ運用
令和6年6月12日付 1面

陸前高田市は、市内11地区のコミュニティ推進協議会を対象に最大500万円を配る地域交付金制度の令和5年度活用実績をまとめた。同年度は全部で143事業が展開され、交付額は前年度比3・9%増の5348万円だった。持続的で、活力ある地域コミュニティーを形成しようと創設され、6年目を迎える本年度も同じ交付額で運用する。(高橋 信)
市によると、5年度における地区別の実績は▽下矢作=11事業499万円▽矢作(二又)=11事業499万円▽生出=8事業468万円▽横田=28事業494万円▽竹駒=20事業499万円▽今泉=5事業499万円▽長部=17事業500万円▽高田=19事業496万円▽米崎=7事業500万円▽小友=9事業389万円▽広田=8事業500万円──。
活用事例をみると、高田地区は2月、市コミュニティホールでカラオケ芸能祭(実行委主催)を開催。町内の老若男女が集い、交流するコミュニティー活性化を目的とした年1回の地域行事で、今後も開催していくという。
横田地区は地元のシンボルである「雷神山」(標高548㍍)の案内看板を5カ所に設置した。
竹駒地区では、滝の里町内会が昨年10月、地元の玉山金山遺跡の活用機運を醸成するため、岩手、宮城両県の産金ゆかりの地を視察した。
市は令和元年8月、同交付金制度を創設。初年度の元年度は11地区で計78事業に充てられ、交付額は5123万円。2年度は105事業、約5470万円、3年度は117事業、約5480万円、4年度は117事業、約5143万円だった。
今月7日に各地区役員が一堂に会した会合では、地区ごとにどのような議論を経て交付金を活用しているか報告し合った。「各公民館などから希望する事業を集め、役員会で協議して優先順位を決めて実施している」「町内各地域に定額を振り分け、使用している」など一様ではなく、参加者が他地区の合意形成の手法に理解を深めた。
高田地区コミュニティ推進協議会の石川宏会長は「煩雑な事務手続きが不要で、すぐに活用できるのが魅力。当初は資材導入費に活用することが多かったが、環境整備も徐々に進み、これからはコミュニティー形成のイベント費などとして使う機会が増えればいい。制度を生かし、地域活性化につなげたい」と話した。