販路拡大と知名度向上へ 県事業で気仙の企業訪問 中国雲南省のバイヤーら(別写真あり)

▲ 雲南省のバイヤーらが酔仙酒造の工場内を視察

 県による「中国雲南省バイヤー招へい事業」の企業訪問は13日、気仙両市で行われた。同省でレストランなどを営むバイヤー2人が気仙の2社で視察、商談を行い、地場産品のさらなる販路拡大、知名度の向上などにつなげた。
 雲南省は中国の最西南部に位置し、県とは平成25年に友好交流協力協定を締結。昆明市には県の雲南事務所があり、さまざまな分野での交流事業を展開している。
 バイヤー招へい事業は、令和5年度に国税庁から酒類の地理的表示(GI)に指定された岩手の清酒をはじめ、県産品の販路開拓や拡大、知名度の向上を推進しようと企画。11日に盛岡市内で開かれた、県の「いわて食の大商談会」に合わせて行われた。
 今回は、同省からレストラン「山喃餐飲管理(雲南)有限公司」の黄磊代表取締役社長と、流通会社・レストラン「㈱アイエヌティー/八至貿易(雲南)有限公司」の夏和剛代表取締役社長が来県。県雲南事務所の李楠所長、商工労働観光部産業経済交流課の職員らとともに、同日から13日までの3日間で県内7カ所を巡った。
 気仙では、陸前高田市の㈱八木澤商店(河野通洋代表取締役)と酔仙酒造㈱(金野連代表取締役社長)を訪問。このうち、大船渡市猪川町の酔仙酒造大船渡蔵では、従業員らから東日本大震災での被災状況や再建までの歩みについて説明を受け、工場内を視察して酒造りに理解を深めた。
 金野代表取締役社長は、「大船渡はすぐ近くに海があるので、海産物に合うような酒を造っている。食材と酒の組み合わせも重視している」と商品づくりのポイントなどを説明。黄さんと夏さんは同社の日本酒を試飲して味を確認し、中国で好まれる味や商品のデザインなどに関する意見交換も行った。
 気仙での視察、商談を終え、夏さんは「岩手は2回目の訪問だが、沿岸部は初めて。震災から復興してきたまちの様子を見て感動した。私たちもできる限り、商品を外国や中国に輸出できるよう頑張っていきたい」と力を込めた。
 金野代表取締役社長は「食に対する国民性の違いなど、いろいろな意見をもらうことができ、今後の参考になった」と話していた。