本年度最多の300㌧超 市魚市場 巻き網船水揚げで活気(別写真あり)

▲ 活気に包まれた巻き網船によるマイワシの水揚げ

 大船渡市魚市場に17日、本県久慈沖などで操業した巻き網船1隻が入港し、気仙沿岸での定置網船と合わせて計317㌧の水揚げがあった。300㌧超えは今季初で、岸壁ではフォークリフトやトラックが絶え間なく行き交い、青空の下に活気があふれた。
 同日朝7時すぎ、青森県八戸市の巻き網船が接岸。昨夜から明け方にかけて、同県から本県久慈沖で漁獲したマイワシ190㌧を水揚げし、南側岸壁で次々と漁船からタンクへ移した。陽光に照らされ、青みがかった魚体がキラキラと輝き、市場職員らもじっくりと様子を見守った。
 イワシは、食用だけでなく養殖魚の餌などとして幅広い需要がある。漁船関係者からは「漁場にもよるが、型は例年と同じくらい」「いつもよりも数はいる感じ」という声が聞かれた。
 この日は気仙沿岸の定置網船12隻から、サバを中心にワラサやチダイなど127㌧の水揚げがあった。巻き網船と合わせて300㌧を超えたのは、火光利用敷網漁などによるマイワシのまとまった水揚げがあった2月9日以来で、本年度に入っては最多の数量となった。
 同市場における巻き網漁業のマイワシ水揚げは昨年度、数量累計で1579㌧(前年度比1・9%増)と微増。金額は、ミール不足などによる価格上昇で1億2211万円(同31・3%増)と昨年度を大幅に上回り、関係者が数量増にかける期待も大きい。
 また、16日には、2週連続で〝サンデーカツオ〟が入り、巻き網船3隻と一本釣り船2隻から計115㌧が水揚げされた。巻き網は中小サイズ(2・5〜1・8㌔)、一本釣りは大サイズ(3㌔以上)が主体となり、連日の慌ただしさが広がった。
 大船渡魚市場㈱の千葉隆美社長は「巻き網やサンデーカツオなど、チャンスに恵まれた時にしっかり取り扱っていければ。数量が多ければ、関連する仕事もしっかり回っていく。三陸沖の漁場においても、定置網をはじめとした漁況が安定していくことを願う」と話していた。