5年ぶり開催へ意欲 夢海公園で「KRF」安全祈願祭 

▲ 実行委や関係者が無事故と成功を祈願

 「ケセンロックフェスティバル(KRF)」の実行委員会(千葉裕昭委員長)は18日、大船渡市大船渡町の夢海公園で7月15日(月・祝)に開かれる同イベントの安全祈願祭を挙行した。5年ぶりとなる今年は、東日本大震災後に整備された中心市街地で初めて開催する。関係者は無事故と成功を誓い合うとともに、震災から復興した姿を広く発信しようと意欲を高めた。
 KRFは、国内外で活躍する著名なアーティストらが気仙に集う音楽の祭典。平成20年に大船渡市で開いた「OFUNATO ROCK FESTIVAL」を前身とし、翌21年に住田町や奥州市にまたがる種山ヶ原で初開催された。
 令和元年に10回目を迎え、令和2年は「さらなる高みを目指すためにも十分な期間が必要」と、準備期間を設けるために開催を見送り。3年からは気仙3市町での持ち回り開催も視野に再開を予定していたが、コロナ禍に見舞われたために同年から5年まで見送りを余儀なくされた。
 気仙両市では東日本大震災の復旧・復興事業が進み、ハード整備が完了。新たな市街地が形成されたことから、今年は大船渡での開催を決定した。
 祈願祭には、実行委員や関係者5人が参列。これまでの新緑に囲まれた種山ヶ原とは異なり、潮風が香る海沿いの公園で開かれた神事では、玉串を奉てんするなどし、安全な会場設営とイベントの成功を願った。
 会場では20日(木)から、ステージ設営などの準備がスタートする。千葉委員長(54)は「新しい場所での開催なので、実行委としてもすべてが初めての経験だが、フェスができるまで復興したということも発信したい」と意気込み、「大船渡で開催することで、フェスに限らず、若い世代が地元を盛り上げてくれることにもつながっていけば」と地域活性化にも期待を込める。
 今年のKRFには、オープニングアクトを含め計12組が出演し、熱い演奏とパフォーマンスを繰り広げる。当日は午前10時開演、午後6時終演予定。
 一般の入場券、駐車券はすでに完売したが、中学生と高校生対象の学割チケット(2000円)は盛町のサン・リアショッピングセンターで販売中。
 開催要項などは公式ホームページから確認できる。