市長「歓迎し積極支援する」 実施予定の立教大、岩手大合同授業 市議会一般質問で答弁 グローバルC本年度で運営終了

▲ 本年度で立教大、岩手大による共同運営が終了することが明らかとなった陸前高田グローバルキャンパス

 陸前高田市の佐々木拓市長は、19日に行われた市議会定例会の一般質問で、自身の選挙公約である大学誘致に関して考えを示した。今後、立教大、岩手大が市内で実施する計画の合同授業について「歓迎し、積極的に支援する」と強調し、「今後は両大学以外の大学関係者にも誘致に向けた働きかけを積極的に行っていく」と決意を述べた。立教、岩手の両大学が共同運営する陸前高田グローバルキャンパスについて市長は「本年度で両大学による運営を終了する」と報告した。(高橋 信、2面に一般質問の主なやり取り)

 

 大学誘致は、鵜浦昌也議員(創生会)、佐々木一義議員(無所属)が取り上げた。
 鵜浦議員は「大学誘致は本市の地域活性化につながる。立教大、岩手大による合同授業に向けた取り組み状況はどうか」と尋ねた。
 佐々木市長は「合同授業の内容は、大学内の正式な意思決定が行われておらず、この場で申し上げることができない」と具体についての明言を避けたが、「東京の人気の高い私立大学と地元国立大学による合同授業という新たな取り組みは、市の復興や新たなまちづくり、企業・大学誘致などに大きな効果がある。歓迎し、今後も積極的に支援していきたい」と答えた。
 さらに「大学生に復興事業で整備した素晴らしい施設、まちで学んでもらいたいという考えは変わっていない。これまでは立教大、岩手大以外の大学には、誘致に向けた働きかけを行ってこなかったが、今後は両大学以外の関係者にも働きかけを積極的に行っていく」と意欲を示した。
 同議員は、再質問で旧米崎中校舎を活用して開設されているグローバルキャンパスの運営見通しをただしたほか、「合同授業が今後市内で実現したならば、市長は公約を達成したと捉えるのか」と迫った。
 市長は「グローバルキャンパスは本年度で運営を終了し、その発展形として合同授業が新たに始まる。(合同授業は)私の公約である大学誘致とは少し性格が違うと思っている。そのため新たな大学誘致に向けてしっかり取り組まねばならない」と述べた。
 佐々木議員は、大学誘致に関する市民への情報発信の手法を取り上げ、「5月に開かれた議会と語る会の中で、市民から『大学誘致の情報を聞く機会がない』との指摘があった。市民と双方向の形で情報交換できる場面をつくるべきでないか」と、考えを尋ねた。
 市長は「情報を聞く機会がないという指摘については、率直に情報発信が足りなかったと申し訳なく思う」と述べ、「これまでは最も重要な大学と言っても過言でない立教大、岩手大の対応を見極めていたため、積極的な情報収集・発信を控えてきた。今後は市民との情報交換の場をつくる方向で対応したい」と答えた。