無投票の〝副作用〟で論戦も 市議会改選後初の一般質問 15人登壇 異例の多さに

▲ 3日間で計15人が論戦を展開した一般質問が終了

 無投票となった場合、選挙公報は発行できないのか──。19~21日の大船渡市議会6月定例会の一般質問は、改選後初めて各議員が主張を繰り広げる機会とあって、4月の市議会議員選挙(定数20)が昭和27年の市制施行以来初の無投票に終わった〝副作用〟を巡る論戦もあった。
 最終日の21日、最年長の滝田松男議員(77)=日本共産党=が「選挙公報が発行されず、運動に関わった方々以外は、立候補者がどのような政策を掲げられているのかが分からず、白紙委任をしたような形になったと思う」と述べた。
 答弁に立った藤原秀樹選挙管理委員会事務局長は「公職選挙法に準じた形で無投票時は発行を中止する条例規定」と説明。同議員は「無関心にならないよう、興味を持ってもらうことが大切」などと発行の可能性を迫ったが、当局側は「選挙管理委員会としては難しく、個々の対応となる」などとし、議論は平行線のまま終わった。
 市選管では、条例に基づき、市長選と市議会議員選挙に合わせて選挙公報を発行している。今市議選でも計画されていたが、無投票が確定した時点で製作業務は中断した。
 通常、競争選が確定した告示日の午後5時から間を置かず、直ちに印刷作業に入り、翌日以降、市内各世帯に届けられる。各候補者は、事前に自らの政策やプロフィルなどをまとめた原稿を用意し、選管に提出していたが、今回は〝お蔵入り〟となった。
 同議員は、無投票そのものを知らせる周知不足も指摘。選管側は、候補者数が定数20を上回らなかった告示日の午後5時以降、ホームページなどで発信。一方、無投票が確定した告示日後に届いた投票所入場券に関しては、破棄するように求めた。こうした動きについて「限られた時間の中で周知を進めるよう、今回の経験を踏まえ、対応を検討する」としている。
 今回の一般質問は3日間で15人と、異例の多さとなった。舌戦が1日限りで終わった〝消化不良〟を払拭するかのように、登壇した議員は、立候補表明時に重視していた分野を取り上げながら、自らの考えを語り、白熱した論戦を繰り広げた。
 (佐藤 壮、2面に一般質問の主なやり取り)