全議案可決して閉会 市議会6月定例会最終本会議 補正予算巡り論戦も

▲ 12日間にわたる6月定例会が閉会

 大船渡市議会6月定例会最終本会議は25日に開かれ、当局報告3件に加え、追加提案の本年度一般会計補正予算を含む議案8件を可決し、閉会した。議案審議で各議員は、補正予算に盛り込まれた省エネ家電買い替え支援や定額減税などの各種事業を巡り、当局と論戦を交わした。
 報告は一般会計と下水道事業、水道事業両会計の各繰越計算書。議案のうち、条例一部改正は▽個人番号の利用及び個人情報の提供に関する条例▽市ふるさと納税基金条例▽市特定復興産業集積区域における固定資産税の課税免除等に関する条例▽市企業立地奨励条例の特例に関する条例──の5件。残りは一般会計(当初提出と追加分)、後期高齢者医療特別会計の各補正予算。
 定例会初日に提出された本年度一般会計補正予算は、歳入歳出に8559万円を追加し、総額を202億3316万円とするもの。省エネ家電等買替え促進事業、感染症予防事業(新型コロナウイルスワクチン分)などの実施に要する費用を盛り込んでいる。
 このうち、省エネ家電等買替え促進事業は、家庭のエアコンや冷蔵庫、給湯器を省エネ型に買い替える市内世帯に最大5万円分を助成する。2月に続く第2弾で、前回申請した世帯以外が対象。7月下旬以降の買い替え購入を対象とし、8月中の申請開始を目指す。
 第1弾の助成総額は約1000万円で、計220件に助成した。今回は2000万円と予算額を倍増している。助成額は前回と同様、本体価格や消費税などを合算した4分の1とし、5万円を限度とする。
 第1弾時の平均助成額は4万5395万円だった中、議員の一人は「価格が数十万円する家電が対象となっている。収入が低い層が、うまくこの支援を受けることができるか」と質問した。
 鈴木康代市民環境課長は「確かに低所得者支援も重要だが、この事業は既存家電の買い替えによる、エネルギー費用や二酸化炭素排出量の低減を事業の目的としている」などと答弁。第1弾時には受け付け開始から11日目で上限に達し、以降も市民要望などが多かったことから予算計上した背景にも触れた。
 また、自治総合センターコミュニティ助成金事業に係る補助金に関しては、地域公民館でのエアコン設置などが盛り込まれていることから「(夏場前の)なぜ当初予算で間に合わなかったのか」との指摘も。増額分だけでなく、国庫補助金の動向で8191万円の減額となった橋梁長寿命化事業を巡っても論戦が交わされた。
 2年目となる男女共同市民会議「おおふなと市民ミーティング」の開催事業費として、県の地域経営推進費からの歳入も計上された。市当局は夏場の開催を見据え、高校生を主なターゲットとするほか、事業所関係者が若者の考えを聞き、さらに事業者の各取り組みを情報交換する時間も設けるよう調整している現状も明らかにした。
 追加提出の補正予算では、さらに1億6684万円を増額。全て物価高騰対策給付金給付事業で、定額減税補足給付金と本年度新たに対象となる低所得者世帯への給付金の各算定が確定したことから計上した。
 定額減税では、対応する職員の業務負担増大を問う声も。佐々木義和保健福祉部長は「システム改修の補助メニューも入っており、改修しながら対象者の抽出を進めている。大きな残業は生じておらず、通常業務の中で対応している」と述べた。
 請願「ゆたかな学びの実現・教職員定数改善・義務教育費国庫負担制度負担率の引き上げをはかるための、2025年度政府予算に係る意見書採択を求める」(県教職員組合南リアス支部・紀室晃裕支部長提出)は、審議付託を受けた教育福祉常任委員会(滝田松男委員長、委員7議員)は「採択すべき」と結論づけた。議長を除く19議員による本会議でも10議員が賛成し、採択された。