「良い商品に」思い込め 末崎中の1、2年生 最後のワカメ芯抜き作業(別写真あり)

▲ 地元の漁業関係者らとともにワカメの芯抜きに集中する末崎中の生徒ら

 大船渡市立末崎中学校(佐々木伸一校長、生徒71人)の1、2年生45人は26日、昨年から地元の海で育て、自分たちの手で収穫したワカメの芯抜き作業を行った。大船渡中との統合を控え、本年度で閉校となる中で行う最後のワカメ学習。生徒らは、先輩たちが代々受け継いできた伝統を胸に、最後の販売会に向けて「良い商品を」との思いを込めて手を動かした。
 同校では、「海と生きる」をテーマとした総合的な学習の一環で、平成14年から生徒らがワカメの養殖を体験。末崎町・門之浜湾の女島漁場で、1年時に種糸巻き付け、早刈り、本刈り、2年時に芯抜き、パック詰め、販売をそれぞれ実施し、3年生の調理実習で学習を締めくくる。本年度は、閉校前最後の学習期間となり、生徒らが気合を入れて臨んでいる。
 本年度の芯抜き作業は、種まき、早刈り、本刈りを行った2年生に、1年生も加わって取り組むこととし、スーパーバイザーを務める尾﨑眞さん(63)や市漁協末崎地区女性部のメンバーらがサポート。今年3月に現2年生が収穫、塩蔵したワカメを、包丁や専用の道具を使って付短、元葉、中芯、芯抜き、商品外に分類した。
 9班に分かれた生徒らは、25日の事前学習で習ったやり方で実践。2年生が1年生にアドバイスを送ったり、地元漁業者らと談笑しながら和やかな雰囲気で進め、用意された約320㌔を全て加工した。
 滝田希琉さん(2年)は「自分たちで育てたワカメを盛岡で販売できることがうれしく、ワクワクしている。本年度で最後という寂しさも感じるが、先輩たちが長年受け継いできたワカメを、先輩たちのように明るく笑顔で販売できるように、これからも一生懸命取り組みたい」と力を込めた。
 生徒らは今後、7月に加工したワカメをパック詰めし、商品化。2年生は接客講習などを受け、9月に盛岡市で開く販売会に臨む。地元では1年生によるワカメ販売も計画している。